カンボジアの幼稚園、どんなことをしているの?
チョムリアップスオ。皆さまこんにちは。
年間通して温暖なカンボジアですが、特に乾季の終わりのこの時期は暑さが続いています。
今週は38度程度ありましたが、蒸し暑さはあまり感じられないので、日本の夏の方が厳しいかもしれません。
新型コロナウイルスの状況はと言いますと、2月中旬にプノンペンでの市中感染がなかなか収まらず、周辺の州にも感染者が出続けています。
3月中旬には感染拡大予防措置の政令が発表され、指定場所でマスク着用をしない、検査を受けないなど、感染予防に協力しない場合の罰則が定められています。また今週から、首都のプノンペンなど一部の地域に限られていた教育機関の暫時閉鎖も、全国へ広まっています。
さて、少し前にさかのぼりますが、幼児教育事業チームでは、現在実施している事業で、今後研修などを受けていただく対象幼稚部の状況調査を行いました。あくまでも一部の幼稚部の様子ではありすが、少し紹介したいと思います。
まず、ひとつめの学校。こちらは私たちが事務所を構えるバッタンバン市から35km程度の場所にあります。カンボジアでは多くの幼稚園は、小学校に併設されています。
幼児の年代に即した家具や教材不足、指導法など様々な課題から、下の写真のように授業形式で指導するスタイルが多く見られます。
対象地域では本来は小学校教員だけれど、教員不足のため幼稚部を担当している先生方も半数程います。幼児教育について学んだり、実践的な研修の機会がないままに、手探りで現場で奮闘されている先生が多いのが現状です。
この写真のクラスは、3歳から5歳の子どもたちの異年齢クラスです。一生懸命大きな声で数字を繰り返し唱えていますが、この年代の子どもたちにとっては、何十分も授業を聞いて、同じことを繰り返すのはとても大変だろうと思います。
一方で、休み時間(自由時間と言うよりは、小学校と同じように活動の一コマの時間が決まっているので、日本の休み時間の感覚です。)には幼児期の子どもらしく、遊ぶ姿も。
この子は黙々と、見つけたストローをひたすら長くつなげていっていました。
こちらでは、一心に土を掘っています。(土遊びは、汚れるから多くの大人の方は抵抗があるそうです…)
幼児期は色々な環境の中で様々な体験をして学んでいく大切な時期。子どもたちが興味を持っていることを、日々の活動に取り入れられるよう働きかけていきたいと感じました。
こちらはまた別の小学校の幼稚部。バッタンバン市から西(タイの方面)へ90km程離れたところにあります。
学校の裏には一面にキャッサバ畑が広がっていました。
地方に行けば行くほど、既製のおもちゃ、教材や、それらを作るための素材を手に入れることが難しいです。そんな中、先生は段ボールを使って型はめを作っていました。
このような先生発のアイデアも、積極的に紹介していきたいと考えています。
事業を通して推進している「遊び」や「環境」のコンセプトを広めながら、先生に実践してもらい、子どもたちが、そして先生がもっと「幼稚園って楽しい!」と思えるようになることを期待しています。
※この事業は国際協力機構(JICA)草の根技術協力事業により実施されています。
カンボジア事務所 石塚