ラオス国営テレビ人気アナウンサー、一冊の絵本が人生を変えた
アジア地域ディレクターの八木沢です。2016年12月10日に東京で開催されたシャンティ設立35周年記念イベントに参加されたラオス国営テレビの人気アナンサー、スニター・ピンマンさんを覚えているでしょうか? 今日、5月6日にスニターさんとビエンチャンでお会いしました。久しぶりに会って驚くべき報告がありました。何と自分で小さな「子どもの家」を始めていました。下の写真は、スニターさんとスニターさの小さな「子どもの家」。
スニターさんは両親の離婚で貧乏のドン底の11才の時に市場に漬物を売りに行く途中でシャンティとラオス政府等が支援する「子どもの家」に出会いました。子どもたちが図書館で絵本を読み、伝統音楽や伝統舞踊を習い楽しんでいました。
ここで出会った日本からの一冊の絵本「11ぴきのねこ」(馬場のぼる作、こぐま社 写真 )が人生を変えました。週末は、仕事の手が空くと絵本を読みふけった。伝統舞踊や絵画を教わり、幼い子どもに読み聞かせもしていました。11ぴきのねこが力を合わせて、困難を乗り越える姿に自分が重なったという。13才で子どもの家で習った得意の伝統舞踊で各国要人も利用する高級ラオス料理店で、夜にラオス伝統舞踊の踊り子として雇われて学費を稼いで中学、高校、大学を卒業。
シャンティの設立35周年記念イベントに参加した2016年12月当時は、スニターさんは、国営テレビのアナウンサーやプロデューサー、取材、司会などをして多忙を極めていました。翌年の2017年の6月からビエンチャン市内で、小さな「子どもの家」を開始しました。シャンティの35周年で日本に行った際に、多くの日本人が遠く離れたラオスのこどもたちの支援をしている。「ラオス人の私が何もしないのは、恥ずかしい」。東京に行ってシャンティやラオスを支援する色々な日本人に出会ったのが、きっかけだったととの事でした。
私たちか知らない間に小さな3教室、生徒50日、先生と職員が8人で「子どもの家」を開始していました。週末の土曜と日曜日に伝統舞踊、伝統楽器、ギター、英語等を教えて1年が経過していました。一冊の絵本との出会いが人生を変えて、今度は、シャンティ35周年のイベントとの出会いが、スニタ―さんをまた、変える機会となっていたことには、本当に感動しました。文章の下部の写真は、「11びきのねこ」の絵本とスニターさん。ビエンチャン郊外にあるスニターさんの「子どもの家」。シャンティのラオス事務所から贈られた絵本が置いてありました。
施設の開設から1年が経過した今、国営テレビのアナウンサーの仕事と同時にさらに、子どもの活動を広げたいと目を輝かせていました。スニターさんの活躍がこれからも楽しみです。