先生同士で共に学びあうことの可能性
サバイディー(ラオス語でこんにちは)
ラオス事務所の半田です。
先日、移動図書館活動の視察のためヴィエンカム郡へ訪問しました。
道路で牛、豚、鶏が通行したり、学校の周りを山羊が囲んでいるなど、
ラオス事務所があるルアンパバーンの中心地とはまったく情景が異なったことが印象的でした。
今回の移動図書館活動の視察中、小学校でのソムニ先生の読み聞かせの時間がとても印象的でした。
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読み聞かせをするソムニ先生
ソムニ先生の勤務する小学校の生徒の多くはカム族出身。
彼・彼女たちの母語はラオス語とは異なるカム語です。
しかし、ラオスの小学校で用いられる言語はラオス語のみです。
そのため、少数民族出身の子どもたちの中には、
小学校に入学し初めてラオス語を習うということも珍しくありません。
多くの小学校では、先生が少数民族出身の生徒たちに、ラオス語での読み聞かせに挑戦したものの、
生徒たちはお話の理解に苦しむため、カム族やモン族の言葉を織り交ぜて読み聞かせをする先生が多くいました。
しかし、ソムニ先生は読み聞かせの始めから終わりまでラオス語での読み聞かせに挑戦!
子どもたちとのコミュニケーションやページをめくる間合いを調節し、
子どもたちの興味を引き付けた結果、
飽きてしまう生徒もほとんどおらず、お話の終わりまでしっかりと聞き、
あー楽しかった!という表情をしていました。
読み聞かせ終了後、ソムニ先生とお話をする機会を設けていただきました。
すると、ソムニ先生は私たちの読書推進研修会に直接参加したことはなく、
前任校の同僚の先生から読み聞かせのスキルを引き継いだとのことでした。
この事実にとても驚いたと同時に、ソムニ先生から先生同士で共に学びあう機会が非常に大切なのではないかと思いました。
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ヴィエンカム郡の様子。車でのアクセスが難しく、ボートで移動する地域もあります。
ヴェインカム郡は山岳地帯、いわばへき地で、本やインターネットなどへのアクセスが限られ、新たな情報を手に入れていく機会も限られていると思います。
しかし、老若男女、様々な経験・知識・バックグランドを持った先生方が協力しあうことで、1つのものを何倍にもできるという可能性を肌で感じました。
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先生たちに絵本の使い方のアドバイスをするカムコン職員
しかし、何を隠そう、この素晴らしい可能性の大前提にあったのが、
ヴィエンカム郡の小学校の先生たちの持つ向上心の高さだと思います。
本当に一生懸命メモを取ったり、他の学校の事例を紹介する資料に目を通す姿、
シャンティ職員に授業での絵本の活用の仕方について更なるアドバイスを求めている姿など。
本当に先生たちの頑張る姿には頭が上がりません。
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低学年の生徒の読書補助をする先生
先生たちのヴィエンカムの子どもたちの教育のために頑張りたい!
という気持ちに応えるため私たちも一生懸命活動していきたいと思いました。