最終フォローアップ研修会(教材活用研修会)
サバイディー(ラオス語でこんにちは)
ラオス事務所の半田です。
日本の気温は13度前後と聞きましたが、ルアンパバーンでは30度を超える乾季に突入しました。昼間は日差しが強すぎて外に出るのが億劫になります。
先日、事業地のヴィンカム郡で就学前クラス担当・初等教員を対象にした最終フォローアップ研修会が行われました。
今回の研修では、本事業を通じて開発した3教材(フラッシュカード、絵本・紙芝居などの読書教材、100玉そろばん)の使い方の復習をしました。
↓以前実施した教材活用研修会の様子はこちらをご覧ください。
https://sva.or.jp/wp/?p=21297
1日目と2日目の午前中は、各教材がどのように役立つのか・どのような使い方ができるのかという復習を行い、残りの時間は実際に教材の活用例を参加教員たちに作成・発表をしてもらいました。
たとえば、就学自前クラス教員のあるグループでは、絵本「おおきなかぶ」を用いてかぶという野菜の紹介を行っていました。
わたし個人的に興味深かったのは、ある小学校教員1ケタの足し算(5+2)の指導方法でした。
まず、5と2が書かれているフラッシュカードを生徒たちに見せていくつかを確認します。
次に、生徒たちに5個と2個のもの(オブジェクト)を集めてきてもらい、全部で何個あるかを確認します。それをもとに5+2の答えを生徒たちに求めてもらいます。
次に、100玉そろばんを使って「5+2」の答えが7になるのかを示します。
7になることを確認して紹介は終わりました。
私は教材を1つずつ使うという固定観念があったので、「なるほど、こういう使い方もあるんだな~」と思いました。
実はそろばんをつかった計算は従来の数字を見て足し算をするという過程に加えて、頭の中でそろばんの珠がどのように動くのかということを思い描くことができるようになるそうです。そのため、「1ケタの足し算=暗記」ではなく、なぜそのような答えになるのかという面を理解することにより、思考、創造力、ひらめきの力を育むことができるそうです。(※1)
教材の活用を通じて、子どもたちが教科書の内容を「覚える」だけではなく、
なぜ・どうして?という面を育み、イメージを膨らませることができたらいいなと思います。
今回の研修会が本事業の最終活動ですが、参加した方々1人ひとりが教材をより親しみを感じ更に活用してくださること、ヴィエンカム郡の教育行政官たちが引き続き教員たちをサポートしてくれる存在であり続けていてほしいと思います。
*本事業は、JICA草の根技術協力事業を通じて実施しています。
*写真に登場した絵本
1. 皆成社 はらぺこあおむし
2. 福音館書店 おおきなかぶ
(※1)参考 : 脳波から見たそろばん有段者のイメージ思考