第一回児童図書出版研修会を開催しました!
ミンガラバー。ミャンマー事務所の中原です。
昨年、ミャンマー語絵本出版に向けてミャンマー作家協会と絵本コンクールを開催、受賞した3タイトルがもうじき完成し、各公共図書館に配布される予定ですが、今回、ミャンマーでの児童図書出版の改善・更なる発展を目的とし、作家、イラストレーター、編集者の計約30名を対象に、現在、カンボジア事務所でもお世話になっています国際識字文化センター代表の田島伸二氏を講師にお招きし、2月28日から3月4日までの5日間、児童図書出版研修会を開催しました。
絵本コンクール同様、ミャンマーではこれまで児童図書出版に関する研修会は行われてきていなかったので、作家、イラストレーターそして編集者の参加者はこれから何が行われるのか、最初は緊張した面持ちでした。
初日の午前は「児童書に携わる者のもつべき理念」「絵本とはいったいなにか」といった児童書の概論についてのセッション。田島氏の物語の創作や、絵本、紙芝居についての貴重なお話しもありました。「子どもたちが他人の気持ちを想像することができれば、この世界は変わっていきます。」という言葉、とても心に響きました。
午後からは参加者自身がどのような作品を制作してきたのか、自己紹介とともに経験をシ共有し、参加者間の情報交換の時間を持ちました。その後はグループに分かれて、「わたしが作りたい絵本と児童書」というテーマで議論しながら執筆、それを絵地図で表現していくという絵地図セッションを行いました。各グループ、次々とテーマを上げている様子はさすがプロの方々だと感心させられ、また「友情」「家族」「道徳」といった、ミャンマーの文化を象徴しているテーマが多く見られたのも印象的でした。
2日目からは作家、イラストレーター、編集者が1チームとなって絵地図セッションから出されたテーマをもとに絵本を製作していく共同作業を行いました。3日間という限られた時間であったため、イラストレーターの方々には作品を家に持ち帰って作業を行ってもらったりもしました。
各グループでの作業の様子。どんな作品に仕上がるか、チームワークにかかっています!
最終日、各グループで製作された作品が発表されました。
ミャンマーは今、自由な発想ができるような時代になってきています。このタイミングの中で、ミャンマーでの児童文学がより発展していくことを強く願いつつ、
何よりも今回、研修会に参加された作家、イラストレーター、編集者の皆さんとその思いを共有できたことは、本当に大きな収穫でした。
ミャンマー事務所
中原亜紀