2025.02.25
海外での活動

ラオス 読書室・読書コーナー開設ワークショップを実施しました!

ラオス
活動風景

サバイディ(こんにちは)!

ラオス事務所は、対象郡の一つであるムンゴイ郡の11校で読書室・読書コーナー開設のワークショップを実施しました!

読書室開設のためのワークショップの様子(著作権保護のため絵本を隠しています)

このワークショップは、昨年10、11月に実施した読書推進ワークショップの続編として実施されました。前回のワークショップが郡の中心地で実施され読書推進の基礎や導入を取り扱ったのに対して、今回は実際にシャンティが各学校を訪問し、読書室設置の完了と前回のワークショップで学んだことの復習と技術強化に努めました。

下記のリンクより、昨年の読書推進ワークショップの様子をご覧ください。

ラオス JICA草の根技術協力事業 教員を対象とした読書推進活動ワークショップを実施しました!

 

読書推進ワークショップ後の学校の様子

対象校の教員と村長さんは、昨年のワークショップから戻ってそれぞれで話し合いを持ち、学校の空いているスペースに読書室・コーナーを設置しました。

それからというもの、自らで工夫し、主に読み聞かせや自由読書等の読書推進活動を実施してきました。そして、その時の様子が現地から届き、教員が一生懸命読書推進活動に努めていることがうかがえました。

教員が子どもたちに読み聞かせを実施している様子(ラオサオ小学校)

一方で、この間いくつかの課題や問題点も上がってきました。例えば、本の貸し出しを上手く開始できないことやラオス語を読めない子どもたちにサービスを提供するのが難しいこと、また村の協力が余り得られず定期的な読書推進活動を実施することができない等でした。

さらに、子どもたちにとって読書室をより魅力的なものにする工夫や本の配架の方法が分からない等の相談が寄せられました。

読書室運営の課題や問題点について話し合っている様子(へウドイ小学校)

読書室運営の課題や問題点について話し合っている様子(へウドイ小学校)

 

現状の課題を解決するためのワークショップを実施!

こういった状況を鑑み、シャンティは実際に対象校を訪れ、教員だけではなく村の住民を巻き込み読書室・コーナーを開設するためのワークショップを実施しました。

SVA職員がワークショップの概要を説明している様子(ホイカン小学校)

ワークショップを始めるにあたって、昨年の読書推進に参加できなかった主に村民に対して、へき地の学校で読書室を開設することや少数民族児童が絵本に親しむことの重要性について伝えました。

読書推進活動の大切さを分かってもらった後、実際に参加者全員で現状の読書室・コーナーの改善とサービスの向上に努めました。以下、写真でワークショップの様子を報告します。

村民が絵本の登録と分類、貸し出し用のカードを張り付けている様子(テンケン小学校)

 

村民と教員が協力して絵本の登録と分類、貸し出し用のカードを張り付けている様子(プビエン小学校)

 

村民が絵本の登録と分類、貸し出し用のカードを張り付けている様子(ホイケーン小学校)

 

村長が児童にとって魅力的な絵本の並び方を意識して配架している様子(ホイチーム小学校)

 

村民が学年ごとに合った絵本をそれぞれ本棚に並べている様子(ホイチーム小学校)

 

村民が読書室や絵本を雨から守るための対策を講じている様子(ノンカム小学校)

 

教員が前回作成した読書室のルールと開室日程を見直しより実施しやすいものに改善している様子(テンケン小学校)

 

教員が絵本の貸し出し記録表を修正している様子(ホイケーン小学校)

 

教員が絵本を使った読み聞かせの練習をしている様子(パクチーム小学校)

 

ワークショップには、大勢の人が参加してくれました。自分の住む村の子どもの教育そして将来のため、協力して読書室・コーナーを開設に努める様子は村落教育開発のあるべき姿だと感じました。

多くの村人の協力もあり、ほとんどの学校において午前中の間で開設のための準備が整いました。

お昼を挟んで、午後は協力してくれた住民また午前は参加できなかった住民も含め学校に招待し、読書室・コーナーの開設式を実施しました。

 

完成した読書コーナー(プービエン小学校)

 

開設式では、教員が改めて読書室利用時のルールと利用可能日時について全自動に説明しました。また、開会式の後半では、教員による読み聞かせや自由読書、本の貸し出しが行われました。

以下、開設式の様子です。

教員が絵本の読み聞かせをしている様子(パクチーム小学校)

 

教員が読書コーナー使用時のルールについて児童に説明している様子(ホイケーン小学校)

 

教員が紙芝居の読み聞かせをしている様子(ヒーンペン小学校)

 

児童が読み聞かせに夢中になっている様子(コンカン小学校)

 

教員と児童が入室時の登録システムのデモンストレーションをしている様子(コンカン小学校)

 

児童が読書用の絵本を選んでいる様子(ホイケーン小学校)

 

児童が読書用の絵本を選んでいる様子(ホイカン小学校)

 

児童が読書をしている様子(テンケン小学校)

 

父親と読書を楽しむ児童の様子(コンカン小学校)

 

絵本の貸し出しをする教員(パクチーム小学校)

 

子どもたちはお話しに興味津々の様子でした。

教員の読み聞かせが終わった後、自ら絵本を手に取って各々のペースで黙読したり、音読したり、ラオス語がまだ読めない子どもたちはページをパラパラとめくって絵を楽しそうに眺めていました。

ある村の村長さんからは、「今月の村の定例会で、読書室のルールや絵本の重要性について広く住民に周知する」といった意気込みをいただきました。

今回の読書室の設置と教員の能力強化は、学校以外の場所で普段ラオス語を使用しない少数民族の子どもたちが、絵本やお話を通して楽しくラオス語に触れる機会を増やすことにつながったと思います。

今後は、こういった活動を村の力で継続していくためのワークショップやモニタリンクの活動を実施していきます。

引き続き、シャンティのウェブサイトにてラオスでの活動をご確認ください。

 

ラオス事務所 シーライ

本活動は、JICA草の根技術協力事業の助成によって実施しています。