2018.09.05
緊急人道支援

【平成30年7月豪雨 被災者支援vol.5】思いっきり遊ぶ、笑う、気持ちをはき出す

国内災害
水害

    西日本の記録的豪雨に伴い被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。

    8月23日(木)、シャンティ国際ボランティア会は四国地区曹洞宗青年会(地元の若い僧侶のグループ)とプラン・インターナショナル・ジャパンの3者共催で日帰りツアーを実施しました。『お坊さんと行くレオマワールド(香川県内の遊園地)日帰りツアー』と題したツアーでは、同行スタッフも含め参加人数が100人を超えました。

    子どもたちの「夏休みの思い出」に

    被災地の子どもたちに今年の夏の思い出を聞くと「お母さんがね、あまり外に遊びに行かないように、って言うからここ(避難所)にいるの。」「今年はプールにも行けなかった。」「お祭りも、なんにもなかったけん、楽しみなかった。」など、子どもながらに状況を理解しているつもりでも、いつもと違う夏休みにどこかストレスが溜まっているようです。そんな子どもたちに1日でも夏休みの思い出を作ってもらいたいという思いから、ツアーを実施しました。当日は台風接近に伴い多少の予定変更もありましたが、出発から帰りまで子どもたちは大盛り上がり。そして、無事の帰りを待っていた小学校の校長先生や保護者の方たちにお土産話を楽しそうに話す子どもたちの姿に自然と笑顔が広がりました。

    • お坊さんと行くレオマワールド日帰りツアー
    • お坊さんと行くレオマワールド日帰りツアー

     

    二カ月。ここから、これから・・・

    7月20日から野村小学校避難所の一画をお借りして傾聴カフェ「ほっとサロン」を続けてきました。月・水・金曜日に行われる「ほっとサロン」を楽しみにして毎回来てくださる方もいらっしゃいます。

    一方、避難所では避難者の運動不足が懸念されています。「今までは畑やって過ごしてたんやけど、全部流されたけん、やることなくなったわ。」「なんだかね、何にもやる気がおきんのよ。育てたお米も流されて、息子も継がないなんて言うけん、お父さんがっかりしとるんよ。」など、今回の災害で西予市では日常生活に欠かせない農業の場や商店街等の被害が大きく、”やること”だけでなく、”やりがい”も失われてしまいました。

    少しでも前を向いていただけるよう、声に耳を傾けようと始めた傾聴活動は、避難所だけでなく、近隣の集会所、街なかのお店などでも開催されています。運動不足解消のため、避難所の外に出てみようという試みや、避難所から仮設住宅などに移っても街なかを訪れたときに立ち寄れる場所でほっとひと息ついてもらえたら…そんな想いを抱きながら、一歩先の居場所づくりを目指し活動しています。

    • 愛媛県西予市野村町避難所での傾聴カフェの様子
    • 愛媛県西予市野村町街での傾聴カフェの様子

     

    仮設住宅の完成後も支援を継続

    9月、仮設住宅の完成と共に入居が始まりました。「住む場所が決まったから落ち着いたね。」周りにはそう映る反面、被災された皆さまの気持ちはまだまだ深い傷を負ったままです。それでも前を向いて一歩ずつ踏み出そうとする気持ちを支えるには、思いっきり笑ったり、心にしまった思いを吐き出せる場を、引き続き作ってまいります。