2019年、難民キャンプに起こる変化
こんにちは。ミャンマー(ビルマ)難民事務所の山内です。
皆様、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
難民キャンプでは、先日キャンプを支援しているNGO関係者が集まる会議が行われ、様々な情報のアップデートがありました。これまでも国際支援の減少がキャンプ全体に影響が広がっていましたが、NGOの中で最も規模の大きな団体が2019年事業縮小をすることになり、今年はキャンプ内に変化があると予想されます。本年、難民の生活にどのような変化が起こりそうか、お伝えできればと思います。
・食糧支援のシステム変更
これまではお米、油といった現物をキャンプで定期的に配布をしていましたが、2016年から試験的にいくつかのキャンプで現物ではなくカードにお金をチャージし(1ヵ月に1回)、難民自身がカードを利用して食糧を購入するというシステムが開始されました。家族人数分の金額がチャージされないことがあるなど、課題はあるようですが、今年はこのシステムを9ヶ所のキャンプすべてに広げるという方針になりました。
キャンプでの食糧配布の様子
・キャンプ委員会の選挙
2019年は各キャンプの管理をする「キャンプ委員会」のメンバーの選挙が行われます。このキャンプ委員会に対する運営支援が本年より削減されることになっており、委員会のメンバーを減らすキャンプもあります。また、支援が少ない中なので、そもそも委員会のメンバーの成り手が少ないのではという懸念もあります。
キャンプ委員会のメンバー達とシャンティ職員
・保育園への支援の減少
本年から保育園の昼食提供がなくなります。また保育園の支援をしていた国際NGOは数年前に活動を終了しており、キャンプの女性グループがその活動を引き継いでいましたが、維持が年々厳しくなっています。教材の提供はもちろんですが、教員の雇用や維持も難しい状況です。シャンティを含め教育支援の活動を支援している国際NGOはいますが、自分達の活動を維持するのに手一杯という現状もあります。私達の図書館活動も様々な影響を受け、活動を縮小する予定であり、その中で保育園を更に支援するということができずにいます。
キャンプ内の保育園
タイ・ミャンマー政府合意の下の帰還の第2陣は2018年5月に行われました。第3陣に関して、当初は昨年の10月という話がありましたが、現在も帰還希望の人への調査が続いており、実際の帰還には至っていません。まだ多くの人が難民キャンプで暮らしているのが現状です。
このキャンプに暮らす人々に待ち構えている変化に対して、何がシャンティとしてできるのか考えさせられますが、私達にできることは図書館の環境をできる限り維持し、読書の楽しみや心を休める居場所を守ることなのだと思います。
本年も図書館活動を通して、難民キャンプの人々を支えていきます。そして、図書館に通う人々の日常や子どもたちの笑顔を、皆様にお届けしていきたいと思います!
また、私達の事務所では現在1年間のインターンを募集しています。興味のある方はぜひご覧ください→ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所 インターン募集要項
ミャンマー(ビルマ)難民事務所 山内