【令和4年福島県沖地震vol.1】 度重なる地震で、疲弊する人々
令和4年福島県沖地震で被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。
2022年3月16日に発災した福島県沖地震では最大深度6強を観測し、福島県、宮城県の沿岸部を中心に甚大な被害を与えました。当会は、平時から関わりのある福島県のNPO、南相馬市市民活動サポートセンター(以下、サポートセンター)の要請により、職員を現地へ派遣し、23日より被災者支援活動を行っております。
■南相馬市鹿島区・相馬市の被害の現状
現地で活動している当会スタッフの中井康博(国内緊急人道支援担当)より、一報が入りましたので現状をお伝えします。
南相馬市原町区から鹿島区に入った時、視界に広がったのはブルーシートを屋根にかけた家々でした。道路も地盤沈下でマンホールが浮かび上がり、多くの亀裂やひび割れがありました。
体感として東日本大震災と同じかそれ以上に長く続いたと感じる方が多かった今回の地震では、昨年2月の地震と含めて、度重なる被災に耐えた建物に甚大な被害を与えました。鹿島区では、罹災証明申請が3720世帯中1141件(相馬市災害対策本部3/28日発表)あり全壊の家は少ないもののおおくの住民が家屋被害を受けました。
東日本大震災から続く空家問題。避難の為、空家となり長い間手が付けられていない家屋は老朽化が進み今回の地震で激しく被害を受けたが、放置されたまま
被災判定半壊と診断された家屋
ある高齢の男性は被災から救助されるまで恐怖から身動きが取れず、うずくまっていたとの話を伺いました。そのほかにも、屋根にブルーシートが架けられず雨が降れば家の中で傘をさして寝ていたり、倒れたタンスの隣で寝ているといった状況が次々と耳に入ってきています。
倉庫や蔵を持つ家が多いが、居住対象でない建物は、復興のための公的支援を受けることが難しい
歩道には多くのブロック塀が倒壊。子どもたちの通学路も多く危険な道を子どもたちが利用しなければならない現状
街を巡回するだけでも数えきれないほどの被災家屋を目にしました。一般ボランティアでは対応の難しい屋根上での作業も多くあり、復旧には多くの時間がかかることが容易に想像できます。福島民報によると昨年の地震と比べ、現在把握しているだけでも1.5倍の被害額であり昨年に比べて大規模な被害の実態が浮き彫りとなっています。
今回、サポートセンターを支援して、被災された方へのボランティアを派遣するコーディネートをサポートするとともに、多くの地元NPOと共に、協働で災害時にNPOを繋ぐ基盤を準備しています。被災された方を「誰一人取り残さない」支援体制を構築できるよう活動を進めてまいります。
本事業は「日本財団」からの助成金を受けて実施しております。
本件に関するお問い合わせ先
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 担当:地球市民事業課 渡邉・中井
〒160-0015 東京都新宿区大京町31 慈母会館2・3階
TEL:03-6457-4586 FAX:03-5360-1220