【令和4年8月豪雨】 あそびを通して、子どもが解放されるとき
令和4年8月豪雨にて被災された皆さまへ、心よりお見舞い申し上げます。シャンティでは、被災した子どもたちの支援として、9月11日から毎週日曜日、地元団体ふくちゃ部が開催する被災した子どもの託児サービスをサポートするために、子どものあそび場の専門家を派遣しています。託児については、現地のボランティアの方が中心に担っているものの、子どもが安心して過ごせる場をつくりたいとニーズに応じて、お手伝いさせていただくことになりました。
初動調査の報告はこちらからです。
■泥あそびで、はじける子どもたち(9月11日)
午前中は、室内あそびをしながら、徐々に外へ。虫探しや散策。徐々に気持ちがのってきたのか、午後からは、まずは穴掘り。土が盛ってある小高いところでみんなが掘り出しました。「秘密基地をつくりたい」と思いを巡らす子どももいました。そのうち、掘った穴にホースで水をため始めて、始まったのが泥あそび。
「服を汚したら、お母さんに、怒られちゃう!」と最初は戸惑っていた男の子。遊ぶうちに徐々にヒートアップして、上半身が裸になり、水をもっとかけてという感じになりました。濡れるのが嫌と言って、部屋に戻った小学生高学年の女子は、なんとスカートをまくり上げて、「これなら濡れないでしょ!」と参戦。靴を脱いで泥の中へ、「泥の靴だよ、見てよ」と楽しんでいました。
見事にカエルをキャッチ
そこからは、水と泥の戦いでひたすら、水あそびを楽しむ子ども。子どもが変化していく様子がまるでドラマを見ているように、子どもの心が解放されていくのを感じました。泥あそびがひと段落して室内に戻ってからは、その解放された状態のままで、収まるところをしりません。その後の室内あそびでは、我々大人が、子ども達に捕まり、チャンバラごっことなりました。
掘った穴に水を貯めたら、泥だらけになる子ども
■いつもできないあそびを通して(9月18日)
前回の活動から1週間後、みんな着替えを用意して遊びに来てくれました。今回は木工あそび、焚火も行いました。送り出す親としても普段家でできないあそびができる場所ということで喜んで送り出してくれているそうです。
水害の浸水で家が被災し、雨の音が怖いとつぶやき、精神的な負担がかかっていると想像します。また、被災後は借家に転居したことや、いつもの場所で友達と遊べないストレスなど様々です。大人であれば悩みを聞くことによりストレスの軽減につながりますが、子どもは言語化することが難しいこともあり、あそびの中で発散することが必要です。
松ぼっくりを集めて焚火
水たまりを見ていた男の子から「この前の水害みたいだね」という言葉が出てきました。びっくりする言葉に思えますが、あそびを通した追体験として自分の中で昇華する過程にいるのかな思います。
笑顔いっぱいですが、時にはストレスのためか感情が出ることもあります。見守り、耳を傾け、寄り添いながら次回も活動できたらと思います。
自分だけの小物入れを製作
シャンティは今後、子どもが安心できる居場所作りを目指して、長年協力関係にある(一社)プレーワーカーズとともに、被災地での子どもへの接し方やあそびの空間を通じたケアをサポートします。また、浸水被害にあった子どもしせつは多くの備品や絵本が使えなくなりました。特に民間の施設は公的な支援は少なく臨時の保育スペースでも安心して過ごすことができるように支援を行ってまいります。
「令和4年8月3日からの大雨 緊急募金」受付中
以下の方法で緊急募金を受け付けています。ご協力をよろしくお願い致します。
- ●郵便振込
郵便振替:00170-8-397994
加入者名:SVA緊急救援募金
*通信欄に「令和4年8月3日からの大雨災害」とご記載ください。(振込手数料は無料です) - ●クレジットカード
こちらのお申込みフォームからご寄付いただけます。
*フォーム内で、ご寄付の使いみちで「国内緊急支援」を選択してください。
※当事業は、「赤い羽根共同募金」と「日本財団」の助成金、皆さまのご支援を受けて実施しております。