皆さまからのご支援は私たちミャンマーを忘れていないというメッセージ
皆さん、こんにちは。ミャンマー事務所のハニーです。
2022年も残り1か月弱となりましたが、私にとっての2022年は、政治混乱の影響があり、人生で最もつらく厳しい1年でした。私だけでなく、ミャンマーの人々皆にとって、つらい1年だったのではないかと思います。
ミャンマーという国は素晴らしい国です。ですが、今は私利私欲に走る人々がいるために不安定な国になってしまいました。ミャンマーに住む多くの人々が希望を失い、暗闇の中で日々過ごしていると感じます。収入は減り、治安も悪くなる中で、ストレスを感じたり怒りやすくなった人も大勢います。
また、ミャンマー国内の移動には常に危険が伴います。いくつもの検問所が設置され、戦闘が発生している地域の近くを移動する際には携帯電話等を検問所でチェックされます。
学校に行く代わりに働きに出る子どもたちも
ミャンマーは新型コロナウイルの影響と軍事クーデターの二重の苦しさを味わっています。経済状況も悪化するばかりで、インフレーションが進み、日用品の価格は高騰し、1人の収入だけでは家族を養えなくなりました。ミャンマー国内に仕事がないために、海外へ働きに出る人もいます。このような経済の悪化は子どもたちにもしわ寄せがいきます。教育にかけるお金が捻出できない家庭では、子どもを学校に通わせることができず、代わりに親の仕事を手伝わせることもあります。また、ミャンマー全土で犯罪や強盗が増加し続けています。
今年建設した校舎や学校図書館が子どもたちの希望の光となるように
今年のシャンティの活動を振り返ると、ピー事務所で実施していた学校校舎と学校図書館の建設が無事に竣工しました。政治混乱が続く中での事業実施は、建設費やガソリン代の高騰、銀行システムの変更など、困難の連続でした。しかし、建設業者との調整や予算の見直しを進め、事業を実施できたことは大きな成果だと感じます。竣工した校舎や学校図書館が子どもたちの将来に希望の光となることを切に願います。
また、対象校の教員向けに、学校図書館の運営方法や読み聞かせ方法を学ぶ学校図書館研修も対面にて実施しました。対面での研修は、新型コロナウイルの影響もあり2年ぶりの開催となりました。2年ぶりとはいえ、図書館に関する知識や経験は私たちの考えや行動に定着しており、チーム一丸となって研修を開催することができました。今後は、引き続き学校図書館のモニタリングを行い、教員らが図書サービスを提供できているかを確認し、必要に応じて助言を行います。
建設事業の他に、緊急人道支援として10月から12月にかけて、寺院学校へ学習キットや教材の配布を行っています。並行して、来年度の対象校の調査や選定も行い、次期事業の準備も着実に進めています。
事務所運営面では、同じくミャンマーにあるヤンゴン事務所やパアン事務所と連携しながら進めています。4月からは新型コロナウイルの感染予防対策をとりつつも、事務所での勤務を再開しました。やはり、事務所に皆で集まって仕事をすると、色々なことがスムーズに運ぶと実感しました。総務業務については銀行制度の変更が大きな壁となっています。何度も方針が変更されるため、その都度銀行員から正確な情報を収集するよう努めています。
皆さまからのご支援は私たちミャンマーを忘れていないというメッセージ
このように、色々な課題はありつつも、チームで力を合わせ、知恵を出し合いながら一つずつ乗り越えてきました。私が今住んでいるピーでは、カチン州やチン州、ザガイン地域に比べて、比較的治安は落ち着いています。同じミャンマーという国にいながらも、現在も戦闘の恐怖を感じ逃げまどっている人がいる一方で、私は安全な場所にいるということに、罪悪感を感じることもあります。また、私の友人でも生活が厳しくなり職を求めて海外へ出ようとしている人もいます。
こうしたことを聞くと、ミャンマーはASEANの中ですら大きな遅れをとっていると感じます。私たち、ミャンマーに住む人々は国際社会やNGOからのサポートを切に必要としています。
ミャンマーに住む人々や子どもたちに思いを馳せ、支援を続けてくださるご支援者の皆様には心から感謝申し上げます。ご支援者の皆様の存在は、資金面だけでなく精神面でも私たちスタッフや受益者の大きな支えになっています。ご支援をいただくたびに、私たちは一人ではない、私たちを忘れないでいてくれる人がいると勇気づけられるのです。もし、皆さんが私たちを忘れてしまったら、私たちの声や涙は誰にも届きません。どうか、私たちを一人にしないでください。
来年も皆さまが健康で幸せな1年を過ごされますように。そして、ミャンマーに住む人々にとっても明るい1年になることを心から願っています。
(写真:ミャンマー・ピー事務所職員)
ミャンマー事務所 ハニー