2023.06.19
国内での活動

アートと居場所と相談会? 外国ルーツの方の支援を続けています!

活動風景

シャンティでは、東京都豊島区における外国人支援を始めて、丸2年が経ちました。
これまで区内各地で開催してきたフードパントリー・相談会も、6月10日の開催で20回目です。
今回は、アートワークショップと相談会を組み合わせた、新しいかたちに挑戦しました!

「居場所」としての相談会

「話を聞いてくれるだけでも嬉しい」
ある日の相談会、ミャンマーから来日したという女性は、弁護士を前に涙ながらに語りました。
孤独な生活を送る中、在留資格の相談ができたこと以上に、ひとりの人間として耳を傾けてくれたことに、彼女は心を打たれたといいます。

このように、日本へ来たものの、「孤立して相談相手がいない」「居場所を見つけられない」という声が、相談会では聞かれます
「外国人コミュニティ」といっても、同じ国から来た人すべてが固い絆で結ばれているわけでは当然なく、広い東京で孤立している外国人は少なくありません。
相談会は地域に住む方の居場所でもある。そう確信した瞬間でもありました。

相談会での課題

そんな相談会には、多くの方が小さな子どもを連れて来場されます。
元気いっぱいの子どもたちは会場を走りまわり、親たちは相談になかなか集中できません。
子どもたちが退屈をせず、親たちは相談に集中できれば、来る人すべての「居場所」としてより良い相談会になるのではないか。
そこで今回はキッズスペースを設け、一般財団法人カルチュラルライツさんの協力のもと、アートワークショップと相談会という組み合わせで、開催することになりました。

(開始早々、ワークショップの素材が乱れ飛ぶ)

なぜアート?

わたしたちはこれまで、「外国ルーツの子どもの子どもの居場所づくり」を行ってきました。
居場所づくりは、言語的な制約、心理的障壁を気にせず、自分を表現したり、他者と交流できることを目指しています。
言葉を介さずに自己表現できるアートを居場所づくりに盛り込むことで、外国ルーツの子どもにとってより良い居場所になるのでは?と考えました。

当日の様子

会場である池袋のお寺に、アートトラックが到着しました!テーマは「触覚」です。だれでも触ってアートを楽しめます!

ネパール担当コーディネーターカルさん。皆さんを迎えるべく、娘さんと一緒に看板を作ります。
(そういえば日本語がない!と終わってから気付きました)

イベントが始まりました!1階は、ワークショップ会場。子どもたちとボランティアさんが「ふしぎな生き物づくり」に取り組みます。

2階では相談会。弁護士とソーシャルワーカーを中心に、たくさんの相談を受け付けます。

アートと相談会とのまさかの出会いで、大人から子どもまで、みんなの「居場所」に少しでも近づくことができたのではないでしょうか。
これからも様々なかたちの活動で、多くの方が共生できる地域づくりを目指していきます。

国内事業担当
村松

※この活動は、休眠預金および赤い羽根外国にルーツがある人々への支援活動応援助成を活用し、実施しています。
 また、一般財団法人カルチュラルライツはWAMを活用し、活動を実施しています。