立夏での能登の取り組み|令和6年能登半島地震
石川県輪島市も梅雨が過ぎ「今日もあついねぇ」が毎日の挨拶になってきました。仮設住宅でもクーラーをしっかりつけているか室外機を見て地域で声掛けをしているようです。
〇移動図書館のデザインを決めています
7月頭には金沢美術工芸大学にて現在準備中の移動図書館車両のデザインの選考を輪島市立図書館さんとしてきました。
震災後、金沢美術工芸大学は輪島市図書館へ本棚の支援などを行い、その繋がりから車両のデザインをお願いすることになりました。
移動図書館車両デザインの説明を受ける様子
今回は、自動車会社で車両デザインの経験がある先生より美大生の考えたデザインの説明を受けました。デザインは全部で9つあり、輪島市の自然や文化、子どもや図書館などをモチーフにしたデザインはいずれも学生の思いが込められたもので、中にはデザインを作るにあたり輪島市まで足を運んだ方もいたようです。
これから更にブラッシュアップを重ね、長く愛される移動図書館車両が出来上がることを楽しみにしています。
〇門前まつり
7月20日、總持寺祖院のある輪島市門前町では門前まつりが行われました。門前町にある櫛比神社の神様が總持寺祖院の仏様へ年に1度挨拶に参上するという神仏混淆の珍しい祭りです。
参拝者が總持寺祖院へ向かう様子
復興祈祷法要(總持寺祖院)
昨年は、總持寺祖院も地震の被害によりお寺の建物内で参拝することが難しく山門の下にて法要が営まれました。今年は、大祖堂(本堂)にて早期復興と被災者追悼を祈る法要が営まれた他、門前で受け継がれる櫛比太鼓や獅子舞も奉納されました。
子ども達が元気いっぱいに太鼓を打ち、声をあげ舞う獅子の姿は震災から1年半が経つ中で成長する子どもの力強さや身近に亡くなった方達の思いを受け継ぐ意思を感じさせました。
〇輪島市町野地区での活動
輪島市町野町では昨年9月奥能登豪雨より休止していた図書館が一部再開しました。
水害被害から一部再開(輪島市立図書館町野分館)
再開した図書館。本格復旧をするか移転するかは見通しが立っていない
移動図書館の利用者も「震災前は毎週雑誌を借りに町野図書館に行っていた」という声も聞いていたので皆が待ち望んでいたものかと思います。町野図書館も本再開の見通しは未定で現在は移動図書館では持ってくることが難しい新刊や雑誌、シリーズものを中心に配架されていました。引き続き、移動図書館も併せて運行していきます。
移動図書館では、運行先の集会所では七夕飾りを見ることができました。
老若男女さまざまな願いが短冊に書かれています。
「山よ 海よ 元へもどれ」
仮設住宅の集会所に飾られていた短冊
美しい里山里海の能登半島。今もなお大きな傷跡が残り、被害の大きさが思い出されます。
生まれ育った故郷の景色が変わることは非常な大きな痛みです。戻らないものが多くある中、新たな出会いや取り組みを大切にしていきたいです。
国内緊急人道支援担当 中井