ラオス 少数民族児童のための教員のラオス語授業能力向上に向けた取り組み
ສະບາຍດີ(サバイディ:こんにちは)、ラオス事務所のキャットです。
ブログをご覧いただきありがとうございます。シャンティ ラオス事務所では、少数民族児童がラオス語をより効果的に習得できるように様々な取り組みを行っています。

ラオス語の授業の様子
その取り組みの一つが、教員の国語(ラオス語)教科の授業力の向上を目標に据えた教員実習です。教員研修を実施する前段階として、先駆者、つまり積極的に自らの授業力の改善に努めるのと同時に、その他の教員を手助けするIPS(Internal Pedagogical Support Providers:内部教員補助員)を選定し、彼らを対象にオリエンテーションを実施しました。
本ブログでは、その時の様子を紹介いたします。
IPS(Internal Pedagogical Support Providers:内部教員補助員)とは?何をするの?
上に書いた通りIPSは自らの教授力の向上に努めつつ、同じ学校に努める他の教員が授業力を改善するための活動を定例的に提案・計画、そしてその活動の実施をリードする人たちのことです。シャンティの対象校では、一部を除きそれぞれの学校の校長先生がその役を担うこととなりました。

対象郡の一つ(ポンサイ郡)のIPSの教員たち
校内で行われる活動の具体例としては、教員同士の授業観察とリフレクション、ラオス語教科ハンドブックや複式学級ハンドブックその他の入手可能な副教材や補助教材の学習会、授業計画書の作成・改善、児童の形成的評価と振り返り等が挙げられます。
IPSは、その時々の教員のニーズに合わせて上に挙げたような活動を計画・実施し、教員のラオス語授業力の向上を目指します。

IPSの教員たちがオリエンテーションで実際の活動を模擬体験している様子
また、このような活動が持続的に行われるように、学期ごとの計画を作成し郡の教育スポーツ局の担当職員に提出します。その後は、活動を実施するごとにICTツールを使い当局に報告を行います。報告書の項目には、教員が特に困っていることや学校内のみでは解決できない悩みを相談できる欄が設けられており、それを受けた県・郡教育スポーツ局職員及び教員養成校の職員は適切な助言をタイムリー送ることができる仕組みとなっています。

IPSがスマートフォンを使って活動報告の練習をしている様子
オリエンテーションの様子
去った10月、対象の22校から計23名のIPSが集まり、オリエンテーションを実施しました。
オリエンテーションの目的をIPSが自らの役割と責任を理解することとして設定し、上に挙げたような題目をシャンティの職員お及び教育関係の行政職員が詳しく、時には実践等を交えて説明しました。

IPSが役割や責任等について学んでいる様子

教科書とラオス語教科のハンドブックの学習会を模擬体験している様子

ラオス語教科のハンドブックの不明点等についてグループ内で話し合っている様子

ラオス語教科のハンドブック学習会の模擬体験の様子
ラオスの山岳へき地では、教員不足や複式学級、教材不足、少数民族児童のラオス語習得率の低迷等、多くの問題が蓄積し児童や教員にかかる負担がどんどん増加しています。そのような状況下において、全ての問題を一度で解決するのは大変難しいことです。しかし、教員が自ら学び改善したいと願うラオス語教科の教授法や技術を選択し、そのための活動を集中して着実に実施していけば、授業力の向上・改善につながると思います。

少数民族児童がラオス語の授業でグループワークをしている様子
その結果、ラオスのへき地に住む少数民族児童が効果的にラオス語を習得できる未来が待っていると信じています。
今後も、ラオスの教員の授業力改善に向けた活動の様子を、ブログを通して紹介していきますので、是非シャンティの公式ホームページよりご覧ください。
ラオス事務所 キャット
本事業は、JICA草の根技術協力事業の助成によって実施しています。


