衛生啓発によるコミュニティ全体の変化
こんにちは! シャンティは現在、アフガニスタン東部で、水衛生事業を行なっています。この事業の中で、コミュニティの住民に対し、衛生啓発活動を行いました。今日のブログでは、現地の人々から寄せられた声をお届けしたいと思います。
ムハンマドさん: 私は、水をきれいにする方法として、以前から沸騰させることを知っていました。また、私の祖母は布を使って水をろ過していたのを覚えています。
今日の衛生啓発セッションで、日光や塩素を使った消毒について初めて学びました。また、祖母の使っていた布では、土やゴミをろ過できても、細菌やバクテリアをろ過できないことを、初めて知りました。大変役立つ水の浄化方法を教えてくれて、ありがとうございます。
衛生啓発活動の様子
衛生啓発活動の中では、水が原因の病気の治療や予防方法も伝えています。現地のスタッフがORS(経口補水液)の作り方や買い方について説明しました。また、下痢性の病気になったときに、現地の食生活に合わせてヨーグルトや重湯、おかゆなどを食べさせることを、ORS以外の対処方法として説明しました。また、深刻な健康状態になった場合は、病院に連れていくようにも伝えました。
衛生啓発活動でORS(経口補水液)の作り方を教えている様子
コミュニティでの最後の衛生啓発セッションで寄せられた声をご紹介します。
アミナさん: 私たちはこれまでの衛生啓発セッションの中で、ごみ処理や水に関する病気など、多くのことを学びました。これからは、学んだことを毎日の生活のなかで実践し、病気を減らして、私たち全員が健康になりたいと思います。衛生啓発活動はとても素晴らしかったです。シャンティのスタッフはとても協力的で、いつもセッションの中で出た疑問に温かく答えてくれました。コミュニティで困難な生活を送っている人々を助け、支援をしてくださったシャンティと日本の皆さんに感謝しています。
ザミヌラさん: 私は今、嬉しい反面、悲しい気持ちです。まず嬉しい理由は、それぞれの衛生啓発セッションの中で、口腔衛生や環境、食の安全、水のろ過など多くのことを学ぶことができたからです。悲しい理由は今日が最後のセッションであり、もうシャンティのスタッフの皆さんと会えなくなるからです。まだいくつかの活動があり、お会いすることができるかもしれないとは知っていますが、それでも寂しく思います。衛生と環境という毎日の生活で最も重要なことの一つについて学ぶ機会をくださり、ありがとうございます。
衛生啓発活動の中で、衛生キット(バケツやトイレットペーパー、石鹸、歯ブラシ、生理用品など)を配布した時の様子
ジャミラさん: 私がパキスタンの難民キャンプで暮らしていた時、川から汲んできた水を飲んだり、使っていました。そこで暮らすほとんどの子どもたちが、下痢や皮膚の病気にかかっていました。しかし、その時、私たちは残念なことに、自分たちが飲んだり、使っている水や、不衛生な食べ物や環境のせいで子どもたちが病気になっていることを知りませんでした。このような防ぐことのできる病気で亡くなっていった子どもたちを思うと、とても悲しいです。
私たちに学ぶ機会をくれたシャンティに感謝します。私は学んだことを、できる限り多くの人に伝え、汚い水であれば浄化し、水を安全な状態で保てるように努めたいと思います。
コミュニティのリーダーの1人、ナットグルさん: 衛生啓発セッションによって、住民の態度や行動に変化が起き、コミュニティ全体に良い影響が広がっています。住民たちは衛生啓発セッションで学んだことを日々の生活で実践しています。また、個人の衛生と周りの環境の両方に気を配るようになりました。
変化の一つの例として、アシャールという現地の地域福祉活動の中で、私たちのコミュニティでは、掃除をすることになりました。コミュニティの中で放置されていたごみを集めて、夏が来る前に住んでいる場所から遠くに運びます。家の周りに放置されているごみに蚊やハエがたかり、不衛生な環境になってしまうことに毎年、頭を悩ませていました。この活動により、病気にかかる人がすごく減ると思います。ここ数年、特にマラリアが流行し、苦しんでいたのですが、今まで蚊が原因で、この病気が流行してしまったことを知らなかったのです。私たちは病気の流行を防ぐ方法を学びました。これからも、適切なごみ処理を続け、私たちのコミュニティからマラリアを撲滅させたいと思います。
コミュニティの清掃活動の様子
このコミュニティ全体の清掃活動の日には、シャンティのスタッフも参加し、手伝ったり、ごみ処理方法などについてアドバイスを行いました。
他にも住民に変化があり、実際にシャンティのスタッフが衛生啓発後のモニタリングに行ってみると、衛生啓発活動の中で配布した歯磨き粉を使い終わった後、自分で市場で歯磨き粉を買った人もいました。また、自宅にトイレがない家庭で、新たにトイレの建設を開始したり、古いトイレのあった家庭では、仮設の水洗トイレに作り替えたりしていることが分かりました。
衛生啓発活動のレポートが現地から届き、住民の意識が変わり、行動が変わり、コミュニティ全体が良くなっていっていることが分かり、とても嬉しかったです。
このコミュニティからマラリアが撲滅し、住民の皆さんが健康になることを願っています。
事業サポート課 竹本
現在実施中の事業は、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成と皆様のご支援を受けて実施しております。