イラストで届ける新型コロナウイルス感染予防対策 (緊急救援のアフガンCOVID-19 No.5)
サラーム。アフガニスタンの新型コロナウイルス緊急救援事業担当の荒川です。
この事業では、アフガニスタンの東部ナンガハル県にて、国内避難民や帰還民に対して、新型コロナウイルス感染予防のための啓発と衛生用品や食糧などの緊急支援物資の配布を行っています。
突然ですが、字が読めないって想像したことありますか?
ここで問題です。2つのコップにはアフガニスタンの言葉の一つであるパシュトゥー語で何か文字が書かれています。
感染予防のためにうがいをする際、どちらのコップを使用しますか?
A
B
パシュトゥー語が読める人には簡単だったと思いますが、読めない人はどちらを選んだらよいか悩んだのではないでしょうか。
Aには「水」、Bには「毒」と書かれています。
読み書きができないと正確な情報を得ることができず、生活の中で様々な困難があります。
2018年のUNESCOの調査によると、アフガニスタンの15歳以上の識字率は43%(15歳以上男性:55.4%、女性:29.8%)です。
半数以上の国民が読み書きできないのです。中央アフリカ、南スーダンなどアフリカ諸国に続き、アジアでは最低となる世界で7番目に識字率が低い国とされています。
その原因の一つが長年続いている紛争です。軍事攻撃により多くの学校や教育機関が破壊されました。またタリバン政権時代(1996年~2001年)には女子への教育も禁止されていました。不安定な政治情勢や治安状況、貧困問題、施設や教員不足など様々な要因により、現在でも多くの子どもたちが学校に通えずにいます。
一人でも多くの人に届けるために
事業地のナンガハル県ダマン地区に住む帰還民や国内避難民の中にも、教育の機会を奪われ、読み書きが出来ない人がたくさんいます。また混乱が続く中、現地では「敬虔なイスラム教徒は新型コロナウイルスに感染しない」などの噂やウソの情報が拡散しています。正確な情報が伝わらないため、適切な予防措置がとれず、住民たちは不安の中での生活を強いられています。
ダマン地区での寡婦の生活
「感染予防のためにも正しい情報を迅速に届けたい」という想いから、シャンティでは感染予防のための啓発活動をスタートさせました。現地のスタッフがアートディレクターと何度もやり取りを重ね、子どもから大人まで誰でも理解できるよう資料を作成しました。読み書きが出来ない人でも分かりやすいようイラストを多用し、目を引くカラフルな配色にするなど様々な工夫を凝らしました。
道路に設置された感染予防を啓発する横断幕
啓発予防のパンフレットを読む男の子
一人でも多くの人に正確な情報が届き、少しでも住民たちの不安が取り除き、彼らの身を守ることを願っています。
当事業はジャパン・プラットフォーム(JPF)からの助成と皆様のご支援を受けて実施しています。
シャンティでは募金を受け付けています。
どうか応援とご協力を何卒よろしくお願い致します。
アフガニスタン緊急支援募金(新型コロナ)受付中
郵便振替: 00150-9-61724
加入者名:公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
*振込取扱票の通信欄に「アフガニスタン緊急支援(新型コロナ)」と明記して下さい。
*備考欄に「免」と明記して下さい。(窓口で手続きした場合、振込手数料が免除されます)