【アフガニスタン教育文化支援】制限下のアフガニスタンにおける図書館事業 進捗レポート
サラーム・アレイクム سلام علیکم!(あなたがたの上に平安がありますように)
みなさま、こんにちは!アフガニスタン事務所の守屋です。
ブログをご覧いただきありがとうございます。本記事では、アフガニスタンで今年度から新しく開始した教育文化支援事業『図書館活動等を通じた多様な教育機会の拡充と女子の教育アクセスの改善事業』の様子が現地から届きましたのでご紹介したいと思います。
本事業は、以下の二本立てで活動を進めています。
・対象小学校への仮設教室の建設(クナール県)
・地区公共図書館の基盤整備(カブール県/ナンガハル県)
仮設教室建設の様子
この仮設教室建設は、クナール県内の山岳地で行われています。同地は、政変前は紛争多発地として知られ、地理的な特徴から校舎や教室数が少なく、以前から不就学児童も多いエリアとなっています。8月末に関係省庁とのMoU(基本合意書/ Memorandum of Understanding)締結完了を皮切りに、その後急ピッチで作業が進められています。
アフガニスタン内では、政変後のさまざまな教育活動に対する制限により、国際NGOが直接的に活動することが厳しくなっています。今年度は、アフガニスタン当局の法令変更を受け、国際NGOが教育施設等の建設支援業務を直接実施することができなくなってしまいました。そのため、現地NGOに建設業務を委託し、このプロセスを進めていくことになりました。大幅な遅れはあったものの、無事に仮設教室の建設がスタートしました。2024年9月時点では約15%の工事が完了しています。
地区公共図書館の基盤整備の様子
今回の基盤整備の対象となっている公共図書館は2地区にありそれぞれ1館ずつとなっています。アフガニスタンの図書館は、私たちが想像する日本の図書館のようなものではなく、ただの書庫のような場所として使われている場合が多いそうです。周辺住民や子どもたちの中には、図書館の良さや必要性を十分に知らず利用しないままのこともあります。
基盤整備の初めの一歩として、館内の古くなった壁紙の状態を確認し、必要に応じて塗装をする作業をしています。もともとあった家具や本棚を端に寄せ、大掛かりな塗装作業が行われているのがこちらの写真です。
この後は本棚の移動や整理をし、追加家具等の搬入を行います。
塗装作業が進んでいくと、少しずつ館内が明るくなっていくのが分かりますね。
基盤整備中に、この地域に住む子どもたちが、うわさを聞いたのか図書館の近くまで見に来ていました。楽しくおしゃべりしながら、今か今かと図書館の開館を待っているようです。
このような子どもたちをはじめ、地域のみなさんにとって図書館が新たな教育の場、居場所となることを願いながら、シャンティ職員と現地スタッフ一同、日々奮闘しています。
引き続き、シャンティのアフガニスタンでの図書館事業を温かく見守っていただけると幸いです。
※本事業は、日本NGO連携無償資金の助成を受けて実施しております。
アフガニスタン事務所 守屋