2022.04.08
緊急人道支援

標高2000mのアフガニスタン東部の山岳地域での活動

アフガニスタン

ラマダン・ムバラク!

アフガニスタンでは昨年8月の政変後、中学、高校の女子生徒は学校への通学が許可されていません。3月23日より通学が許可される予定でしたが、当日になり急遽許可が取り消されました。さらに、それまで通学が許可されていた地域の女子生徒も再び学校に通えなくなりました。アフガン国民は一日も早い女子の学校教育の再開を願っています。

 

さて、人道危機が深刻なアフガニスタンでの緊急支援として、食料等の物資配布を東部地域のクナール県、ナンガハル県を対象に継続して行っています。今年1月よりこれまで1,325世帯(約9,200人)に物資を届けることができました。(国連WFPとの連携事業を除く)

 

今回は、最近物資配布を行ったナンガハル県のある地区についてご紹介します。

 

この地区は標高2000mの山岳地帯でパキスタンと国境を接し、国内避難民・帰還民が多く住んでいます。農業が主な収入源で主な作物は小麦とトウモロコシですが、今年は特に干ばつの影響を強く受けています。冬は酷寒となり、寡婦を含む多くの女性や子どもたちの割合が高いこともこの地区の特徴の一つです。

 

その地区に住む約175世帯(約1,225人)に、食糧(小麦粉や油、砂糖、豆など)や生活必需品(ブランケット、ガスコンロとボンベ、ポット、鍋など)を配布しました。

 

アフガン物資配布

支援物資を受取りにきた寡婦

 

アフガン物資配布

物資を受取った家族。最近避難先から戻ってきたため、食べるもの、着るもの、家財道具を持っていない。

 

アフガン物資配布

支援物資を受取りにきた男性。3人の寡婦とその子どもたちと暮らす。

 

この地域の洞窟群と山の尾根では、ソ連によるアフガニスタン侵攻時代より、何十年にもわたって過激派部隊に避難場所を提供してきました。そして、イスラム国により家や店から農場まであらゆる場所に地雷が設置されたり、戦闘によりモスクなど多くの村のインフラが破壊されました。

 

しかし、学校や病院、橋、道路などが政府によってほとんど復旧されておらず、村人は「この地区はかつて26の学校の校舎があったが、現在機能しているのは5校か6校のみです。紛争で最も弱い立場にある子どもたちは、学校を退学するか、野原で勉強するしかないのです。」と私たちに話しました。

 

すぐに学校再建の見込みがないため、地元の人はボランティアで、地元の畑で子どもたちに教育の機会を提供しています。ボランティアの一人である60歳の男性は、「少なくとも子どもたちが読み書きをできるようにすることは、この地区の大人の責任だと考えています。」と思いを話してくれました。

 

シャンティは引き続き、アフガニスタンでの教育支援に加えて緊急支援活動も継続していきます。

今後もアフガニスタンへの温かいご支援ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

アフガニスタン事務所 真屋友希

 

※この事業は皆さまからの募金とJPF(ジャパン・プラットフォーム)の助成を受けて実施しました。