アフガニスタン東部地震/現地リポートをお届けします。
「あの夜、私と妹はトウモロコシ畑の中で、一晩中眠れませんでした。今はテントの中で、穏やかな気持ちで本を読んでいられます」
8月31日に発生したアフガニスタン東部地震。被災した少女が、シャンティが緊急支援として配布したテントの中でスタッフに語ってくれました。
今回の地震に際し、シャンティの現地支援チームは発生二日後に被災地でニーズ調査を行いました。余震の恐怖や降雨による気温低下といった過酷な環境にさらされる中、住む家を失った数百もの家族は野宿を強いられており、シェルター支援の必要性は明らかでした。
東京事務所では、HPを通じて緊急募金を開始しました。皆様から寄せられたご支援により、家族用テント180基、タープ180枚を調達し、被災2村計180世帯約1260人に、緊急のシェルターを提供しました。

男性が外で生活再建に出かけている間、女性はテント内で子どもと過ごしている様子が見られます。

設営された家族用テント。
配布後に行ったモニタリングでは、テントが適切に使用され、被災者を夜間の気温低下や降雨、建物倒壊の恐怖から守るライフラインの役割を果たしていることがわかりました。被災者からは「やっと安心して眠ることができる」など、安どの声が聞かれました。一方で、食糧、毛布、台所用品、生活必需品といったニーズも引き続き高い状況にあります。
今回の地震は震源が浅く、揺れが大きかったため、多くの被害を引き起こしました。発生時間が深夜だったため、ほとんど人が自宅で眠っていたことも被害拡大の一因となりました。また、地震前から続いた大雨により地盤が緩んでいたことで、多くのがけ崩れや土砂崩れが起こり、道路が寸断され、救助活動の遅れにつながりました。
発災直後のニーズ調査では、広範囲にわたる被害とともに、地震が人々に与えた心理的・物質的・社会的な影響の大きさが明らかになりました。市場や店舗も被災し、人々は食糧や生活必需品を手に入れることができません。食糧不足はとりわけ深刻で、ナンガルハル県では推計約75万頭、クナール県では推計約63万頭の家畜が被災し、38万人以上が食糧・農業支援を緊急に必要としています。
子どもたちのトラウマも深刻です。絶え間なく続く余震のため、子どもたちは夜おびえて過ごしています。多くの学校、教室が破壊され、教師も生徒も被災する中、学校・学校外教育は崩壊状態にあります。
このように、被災地の人道状況は極めて悪化しており、シェルター、水、食糧、医療、教育、保護および心理的支援等、あらゆる分野において緊急の支援ニーズがあります。
限られたアクセスや治安状況の悪化、不安定な通信状況、スタッフの安全確保の難しさ、他団体との支援調整等、課題は山積みです。しかし、シャンティは震災以前からナンガハル県をはじめ東部地域を中心に、緊急人道支援事業、開発事業を実施してきており、また発災後においても迅速に行動したことにより、地元行政やコミュニティと信頼関係を築いています。今後も関係機関や行政当局、地域住民との密な調整を通じて、深刻な被害を受けた被災地に支援を届けるべく、活動を続けてまいります。
【ご支援のお願い】
以下の方法で緊急募金を受け付けております。ご協力をよろしくお願い致します。
■クレジットカード
こちらのお申し込みフォームからご寄付いただけます
https://donate.sva.or.jp/otg_er/ver3.2/index_001.html
*フォーム内のご寄付の使いみちで「海外緊急支援」を選択してください。
■郵便振込
郵便振替:00150-9-61724
加入者名:公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
*通信欄に「2025年アフガニスタン地震支援」とご記載ください。