ラチャブリ県にあるタムヒンキャンプを訪れました。
どのキャンプについても、TBBC(ビルマータイ国境支援の連合体)と国連の報告書で、難民人口に差があります。
2009年4月時点のタムヒンキャンプの人口は、8,100名(TBBC)、4,906名(国連)。
これには以下のような事情があります。国連では難民認定をされ登録されている数を難民人口に挙げています。
一方TBBCは、それ以外にも①新たに流入してきた登録を終えていない難民、さらに、②何らかの事情で支援を必要とし、キャンプへ流入している人々に対しても食糧配布などの支援を行っており、その数も加えています。
石で「めんこ」のようなゲームをする子どもたち
難民キャンプが長期化することで、キャンプの事情がより複雑化してきているのが背景の一つとしてあげられます。
タムヒンキャンプで、KYO(Karen Youth Organization)に話を聞きました。この日はちょうどKYOが企画した若者向けのイベントが行われており、150名ほどの若者が参加していました。KYOの活動のモットーは、「難民キャンプの中の子ども、若者たちが健全な暮らしをできるようサポートしていくこと」。組織といっても給与が出ているわけではないので、ボランティアベースで活動をしています。
キャンプの中でもやはり人材が限られているのか、運営に関わる人は大抵いくつもの役割を掛け持ちしていて、非常に多忙です。このような人材の多くは、たいてい第3国定住でキャンプを去って行ってしまいます。KYOでも幹部はほとんどが兼務で行っているため、若いリーダーの育成に力を入れることが必要だと語ります。
どこの難民キャンプでも気になるのは、若者の溢れんばかりのエネルギーとは正反対に、どこかあきらめたような目。
感情豊かな思春期に、「難民キャンプ」という制限された環境の中で懸命に生きている若者たち。今の状況を少しでも良くしていき、いつか自国に戻った時のことを思い希望を捨てない若者たちに感銘を受けました。
by メーソット事務所 山本