「難民子ども文化祭」のハイライト
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の小野豪大です。
既に「イベント案内」のコーナーで紹介済みの「難民子ども文化祭」。
予定通り、2月1日、3日、5日、場所は、ターク県の3つのキャンプ、メラ、ウンピアム、ヌポで開催されました。参加した子どもたちは、各キャンプ200~250人。裏方は、スタッフが総出で準備、各地の青年ボランティアや少数民族グループの青年リーダーたちにも支えられました。
プログラムは2部構成。第1部は、グランドを使ってレクリエーション活動。おそろいのピンクのTシャツを来た子どもたちはとてもかわいらしく、サイズが大き過ぎる年少の子もそれなりに着こなしてました。民族混合チームが競い合うゲームやクイズ、そしてみんないっしょに歌の練習。
フィナーレでは、今日の日をありがとう!一人一人に「ターブル!」(カレン語)、「ジェズティバデー!」(ビルマ語)、「コープクン・カー(クラップ)!」(タイ語)、「サンキュー!」などと言っていると、「アリガトー!」と言ってくれる子もいました。
そして、第2部は、民族ごとに戻って伝統舞踊・音楽ステージ公演です。今回は各地で10民族以上が出演しました。
シーカーアジア財団の協力で、タイのスアンプルー地区の子どもたちも参加してくれました。イサンポンラーンのアップテンポに合わせて、観客の体は揺れ、子どもたちからも歓声が上がっていました。
ボランティアリーダーとスタッフの歌と踊りもなぜか演目のひとつになっていました。子どもたちとも一緒に歌った曲は2000年にラオスで生まれた「Hello My Friends」。その後、日本のボランティアがユニークなフリをつけて、それが今に引き継がれています。
後ろを振り向くと、ぶ厚い人垣。ステージを中心にぐるっと扇型にうごめく集団は、ざっと1500人くらいはいました。
難民キャンプの主流民族であるカレンの族の踊り、ドンダンス。男女非対称のリズム感のある踊りは見ている方は面白いですが、やっている彼らは長丁場の体力勝負なのです。
ゾミ族の「忘れがたき故郷」という踊り。狩猟民族的なイデタチ、ちょっと変わったリズムの音楽が非常に受けていました。
フィナーレは2曲選びました。ひとつはキロロの「未来へ」でと子どもたちが静々とステージへ。そしてWe are the World のビルマ語版「ドーチデカバー」。生のキーボード伴奏に合わせ、青年ボランティアと子どもたちが熱唱しました。実は、スタッフ間の準備会議で、この曲、英語でやるべきか、ビルマ語でやるべきか、協議したのです。結局、ビルマ語にして正解だったみたいで、かなりみんな本気で歌ってました。私はついにサビの部分も覚えられなかったのですが。
子どもたちは皆誇らしげでした。やはり、こうした子どもにとって、民族にとってのハレ舞台は必要なのですね。今後もできるだけこうした華のある機会を彼らの人生の節目節目で作ってあげたいもの。
最後に熱唱のほとぼりが覚めやらぬ青年ボランティアたちとスタッフで記念写真。
ステージがスムーズにいったこともあり、ステージ周辺は写真をとる人、ドラムを鳴らす人など、賑やかな感じでした。
続いて行われたウンピアム、ヌポキャンプでも大きな問題もなく、無事文化祭を終了できました。
とりわけ、今回感じたのは、各キャンプの人たちがイベントに大きな関心と共感を持って積極的に関わってくれたことでした。今後は、キャンプ主導でこうしたイベントが企画・実施されることを願ってやみません。
最後に、今回、バンコク駐在の日本の新聞・テレビ関係の記者さんたちの存在にも触れておかねばなりません。メラキャンプの日本定住希望者の面接時期と重なったとはいえ、多くの記者さんがシャンティの事業、そしてこの文化祭に関心を寄せ、国境に駆けつけて下さったのです。
文化祭会場に一番近い図書館は休刊日だったこともあり、臨時の「メディアセンター」と化した図です。ここから速報が2、3本に送信され、メディアに載ったとのこと。皆様、大変お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
以上、メーソットより小野がお伝えしました。