2014.05.12
海外での活動

仲間からの学び

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ
活動風景

こんにちは。

ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の菊池です。

5月5日~9日まで、マレーシアの人権NGOで活躍されているジェラルド・ジョセフ氏を講師として招き、カンボジア、ラオス、ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の日本人スタッフ、ナショナルスタッフが一堂に会して「Human Rights Based Approach(人権に基づくアプローチ)研修」が開催されました。人間の尊厳から、人権にかかわる歴史、開発における人権アプローチの理論、そして実践方法、具体的な各国事業におけるアプローチの活用など、ワークショップ形式で学びました。

私にとっては各国スタッフが集まる研修に参加するのは初めてでしたが、とても学びの多い1週間となりました。講師や各国の所長からコメント・アドバイスを頂きながら、各国の仲間と同じ場所で同じ時間を共有し、多くのことを議論できたことは、シャンティの横の繋がりを実感するのと同時に、難民キャンプでの事業における私自身の姿勢を改めて見つめる良い機会となりました。

その中でも私にとって大きな気づきは、各国の仲間の経験から学ぶことが非常に大切だということです。カンボジア難民、ラオス難民の経験、その中で直面した困難、不安、希望は私自身が関わるミャンマー(ビルマ)難民の状況と繋がります。帰還を経験した時の不安、帰還後ずっと続く差別、今なお直面する困難、すべてこれからミャンマー(ビルマ)難民が経験するかもしれないこと。難民キャンプでの生活は「自分の中から消したい記憶」だと語ったスタッフは、それでもそのときの思いを共有してくれました。私は、どうしてすぐ近くにいる仲間の声に気が付いてこなかったのだろう、彼らの経験・声は、これからミャンマー(ビルマ)難民の人々と共に立ち向かっていく課題を教えてくれているはずなのに、と改めて感じました。

私たちは、国は違えど、同じ「人間の尊厳」に関わる問題に立ち向かっています。これまで30年以上の先代、仲間たちの経験は、今の自分たちの足元、その先を照らしてくれているものだと思いました。ついつい自分が関わる事業の目先のことばかりに捉われてしまうのですが、もっと真摯に周りの仲間の経験を聞き、一緒に議論しながら、組織として一体となって歩んでいけたらいいなと思いました。

改めまして、今回の研修を企画してくださった皆様には大変感謝しております。ありがとうございました。ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所でも、今回の経験を他のスタッフ、そして難民の人々と共有していきたいと思います。

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