2022.04.10
海外での活動

難民キャンプでの火災に備えた取り組み

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

ハラゲー!(カレン語で「こんにちは」)ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ事業事務所のウェンです。

夏を迎え、日に日に暑くなってきました。特にこの季節は、火災のリスクが高まるため、難民キャンプに暮らす人々は備えを始めています。難民キャンプ委員会は、スピーカーを使ってコミュニティの人々に不注意によって起こる火事の危険性を周知しています。

難民キャンプでは、難民キャンプ委員会が防災支援をしているNGO団体の職員とともに、火災や水害、土砂災害などのリスクに対しての意識向上を図るため、日々さまざまな備えや訓練をしています。例えば、火災が起きたときに使用する道具を管理したり、消火訓練などを行ったりしています。

難民キャンプに暮らす人々が暮らす家屋は、屋根に木の葉、柱にユーカリの木、壁や床には竹が使われている、簡易的なものです。これらは、非常に燃えやすく、火事が起こるとすぐに燃えてしまいます。特に乾燥した暑い時期に火災が起こりやすく、家庭での料理やロウソクの使用も、火災を引き起こす原因となります。料理中にコンロの火から目を離したり、マットレスなどの燃えやすいものの近くでロウソクをつけたままにしたりといった不注意による火事が例年起こります。

こうした火事を防ぐため、コミュニティ図書館を含む施設全体で安全に向けた取り組みが行われています。水や砂を入れた袋や、難民キャンプで昔から使われている竹と亜鉛の板で作った道具などの消火の際に使う道具が、難民キャンプ内のすべての建物に取り付けられる予定です。
消火に使う道具
(写真:板の部分を火にかぶせて消火します)

家屋に下げた水袋と砂袋

(写真:家屋にも水や砂を入れた袋をかけておきます)

図書館前の水袋と砂袋

(写真:図書館の前にかけた水や砂を入れた袋)

今年は火事が起こらないことを祈りつつ、シャンティが運営支援するコミュニティ図書館でも、万全の対策を取っていきたいと思います。2020年に出版した絵本『私は二度と同じことをしません』でも難民キャンプでの火事を題材として取り上げており、子どもたちは絵本を通して、火事がもたらす被害の大きさや火の扱いに注意することの大切さについて学んでいます。

私は二度と同じことをしません

(写真:2020年出版絵本『私は二度と同じことをしません』)