2024.06.12
海外での活動

カンボジアの質の高い幼児教育を次の州へ

カンボジア
活動風景

こんにちは。

カンボジア事務所の菊池です。

カンボジア事務所では、長く北西部にあるバッタンバン州で幼児教育事業を実施してきましたが、今年の3月からカンボジア北部のオッドーミンチェイ州で幼稚園のアクセスと質の改善事業に取り組んでいます。

現在、オッドーミンチェイ州内の3園の園舎建設が進んでおり、進捗は7割程度で、あと2カ月ほどで完成する見込みです。

 

さて、この事業では、園舎建設と共に、オッドーミンチェイ州内の幼稚園教員、州・郡の教育行政官の人材育成も行います。人材育成の一環として、6月6日、7日に先行事業で幼稚園の教室内外の環境整備や「遊びや環境を通した学び」の活動実践を進めてきた、バッタンバン市中央幼稚園と同州のエクプノン郡で中央幼稚園の役割を果たしているプレクノレン幼稚園の視察を行いました。

<バッタンバン市中央幼稚園の整備された園庭を視察する参加者>

<プレクノレン幼稚園での朝の体操を視察する参加者>

 

バッタンバン市中央幼稚園は、カンボジア内でモデル幼稚園として教育省から認定されており、同州内のみならず他州の幼稚園教員もよく視察に訪れているそうです。こちらの園舎は、2019年に実施した日本のNGO連携無償資金協力事業で建設されました。また、校長先生と副校長先生は、2020年9月~2024年4月まで実施したJICA草の根技術協力事業のタスクチームのメンバーでもあり、幼児教育にかかる知見共有や技術指導でも同州内外で活躍しています。

プレクノレン幼稚園の校長先生も、先行事業でトレーナーとして活躍し、日本での研修にも参加しました。自身の学びを園の環境整備や活動の改善に繋げており、同郡内のモデルとなる幼稚園です。これらの幼稚園は、日本からのハード・ソフト支援が非常に効果的に成果として表れている事例と言えます。

<バッタンバン州中央幼稚園の副校長先生>

<プレクノレン幼稚園の園長先生>

<バッタンバン州教育省幼児教育局の職員、両園の校長先生、副校長先生と共に>

 

今回の視察では、オッドーミンチェイ州からは、教育局、事業対象郡の行政職員、郡教育局、事業対象園の校長、教員、学校運営委員会のメンバーなど、30名以上が参加し、幼稚園の教室や園庭の環境整備、遊びや環境を通した学びの実践活動、園と保護者・コミュニティとの連携について、学びました。

 

参加者のモチベーションがとても高く、視察の中でもたくさんの質問が出た他、園の視察の振り返りの中で、自分の園の環境をよりよいものにしたい、視察の学びをすぐに園に活かしたい、州・郡として対象園と協力して改善に努めたい、などの声も多くありました。実際にモデルとなる園の環境や活動を見たこと、バッタンバン州の2園の数年に渡る改善の過程やその中での先生方の思い、苦労を知って、自分たちも同じように取り組んでいきたいという強い思いに繋がったようです。

<オッドーミンチェイ州からの参加者と一緒に>

来月からは、オッドーミンチェイ州で本格的な研修活動も開始します。本事業は、1年間の事業ではありますが、幼稚園の環境や活動がどのように変わっていくのか、私も楽しみです。

今回の視察の様子は、カンボジア事務所のFacebookでも紹介しています。是非ご覧ください!

※本事業は、令和5年度のNGO連携無償資金協力事業の一環として実施しています。

菊池