2022.01.25
海外での活動

新たな目標に向かって

カンボジア

チョムリアップスオ。皆さまこんにちは。

今回は、カンボジア事務所の同僚について紹介したいと思います。

少し前に、スタッフがひとり退職しました。
彼女はバッタンバン州のある村の出身です。周りには親元を離れて大学に進学した人がほとんどおらず、ご家族を説得してバッタンバン市内の大学に入学したそうです。大学生活最後の1年はシャンティでフルタイムで働きながら学業を修めた努力家です。

そんな彼女が、公立幼稚園の先生になるための道に進むことになりました。

彼女の地元の村にはつい最近まで幼稚園はなく、彼女自身も幼稚園に通った経験はありませんでした。
そんな中、シャンティの日ごろの業務を通して幼児教育の大切さを知ったことで、先生として子どもたちに関わりたいという気持ちが次第に芽生えてきた結果の決断だったそうです。

カンボジアで公立幼稚園の正規の先生になるには、高校卒業以降に教員養成校で2年間学ぶ必要があります。現在、幼稚園の教員養成機関は首都のプノンペンに1つだけです。プノンペンで数日一緒に業務していても、「バッタンバンが恋しい…」と言うほどだったので、首都で2年間生活するだけでも大きな決断だったのではないかと思います。

2年後、彼女はバッタンバン州内の幼稚園に勤める予定になっています。
きっと一生懸命で優しい彼女は、子どもたちにとても好かれる、そしてシャンティの幼児教育事業で推進をしている、「遊びや環境を通した学び」を実践していく先生になるんだろうと思います。

毎日一緒に働いていた仲間がいなくなるのは本当に寂しいですが、妹のような存在が、次のステップに向けて巣立って行ったのはとても誇らしくもあります。シャンティの活動が彼女を勇気づけ、可能性を広げるきっかけになったのならば、それは嬉しいことです。

「教育を通してより良い社会を作りたい」という思いは同じで、友情は続いていくと思います。またどこかで私たちの活動と交差するかもしれません。その日を楽しみにしています。

カンボジア事務所 石塚