カンボジア幼稚園 ビフォー・アフター!
みなさま、こんにちは。カンボジア事務所の萩原です。
カンボジア事務所では現在、公立幼稚園を対象とした幼児教育支援事業を実施しています。
こちらはバッタンバン州トモー・コール郡のとある小学校の幼稚部の支援「前」の様子です(以下、○○幼稚園)。カンボジアでは何の変哲もない小学校の一室が幼稚部に充てられ、小学生向けの机やいすがそのまま使われていることが少なくありません。これから、どう変わっていくのでしょうか?
1.教室改装のためのお金を集める
2016年1月から2月頃、先生や村の皆さんが協力して教室改装のための資金調達。○○幼稚園では、幼稚園に子どもがいる家庭もいない家庭も、幼稚園の発展のためにと10000リエル(約250円)ずつ寄付をしてくれました。写真は村の皆さんの貴重な募金で購入したタイル。
ちなみにシャンティは、教室改装のための資金は一切出していません。事業開始時に、「シャンティは家具の支援や先生への研修を行うから、教室の改装はあなたたちががんばってほしい」と約束しています。(詳しくはこちら)
2.教室の改装作業
購入したタイルを一面に貼り、子どもたちがはだしで気持ちよく過ごせる教室に。壁の塗り直しもされ、清潔感あふれる教室になりました。カンボジアは暑く、ちりがつもりやすいので、ひんやりしたタイルは肌に気持ちよく、ちりの掃除もタイルだと楽です。
3.「場づくり」の研修会
9月から10月にかけて実施した「場づくり」の研修会。配布した家具や装飾資材をうまく使って、各幼稚園の先生がきれいに教室環境を整えることができるよう研修会をしました。
写真は、「アンコールビール」の空箱にカラーペーパーを貼りつけ、子どものカバン用の引き出しを作っているところ。「幼稚園にビール箱?!」と眉をひそめる方もいるかもしれませんが、サイズがぴったり、かつ簡単に手に入るのです。
4.完成!
カンボジア版ビフォー・アフター!
家具搬入と設置、装飾が完了した後の教室です。地道にビール箱を整え、教材を整理し、絵本が汚れないようにシートがけ…。先生がすごくがんばってくれたことをひしひしと感じ、思わずつたないクメール語で、「こんなに教室がきれいになって、うれしいよ!!!」と伝えました。
先生のよると、○○幼稚園では子どもの数が増え、保護者の方も以前より協力的になったそうです。「子どもたちは今の教室が大好きで、『なんで週末は幼稚園に行けないの?』って聞くのよ。本当に驚いて、うれしかった」。
シャンティは2016年に18箇所の幼稚園で同様の活動を行い、2017年はさらに21箇所の幼稚園に活動を広げます。中には配布した家具や資材を十分に使いこなせていない幼稚園もあるなど、課題も多いですが、○○幼稚園のような場所がどんどん広がっていくよう試行錯誤していきたいと思います。
カンボジア事務所 調整員 萩原宏子