2015.01.07
海外での活動

カンボジア2015年

カンボジア
スタッフの声

皆様、新年明けましておめでとうございます。
カンボジア事務所長の玉利です。

昨年はカンボジアの教育事業のために多大なるご支援を頂きまして、誠に有難うございました。お陰さまでドリーム小学校、住民参加における学校図書館運営、絵本・紙芝居出版、図書館を中心としたコミュニティーラーニングセンター、伝統文化、スラムのコミュニティー図書館の6つの事業をほぼ予定通り実施し、カンボジアの子どもたちや地域住民の方々への教育改善に貢献することができました。

今年のカンボジアは、年末に加盟国間の関税の撤廃や緩和、域内での人、物、資金の流れを自由化することを目的としたアセアン経済統合を控え、経済的に大きな変革をもたらす事が予想されます。ここ数年順調な経済成長を見せてはいますが、企業の進出が増加するにつれて、土地の買収も行われ各地で住民の移転問題が深刻化しています。農村では、より良い給与を求めて隣国タイや首都プノンペンに出稼ぎに行く人が急増していますが、教育レベルが低いために、単純労働業務にしか従事できない現状があります。更には、長期にわたる労働争議の結果、縫製工場労働者の最低賃金も月128ドルまで上昇したものの、その一方で、労働者のレベルが他国と比べても低く生産性が低いとの報告書も出されています。

学校教育の現場では初等教育就学率は増加していますが、未だにポルポト時代に知識人が迫害された影響を残し、学習環境の悪さや教員の質の低さに起因する教育の質の低さが問題となっています。このような状況の中、カンボジア事務所では将来のカンボジアを担う子どもたちへの教育、及び農村や都市の貧困地区居住者への教育及び生計向上支援を継続するほか、新たに就学前児童に対する支援も開始し、学校教育の質の向上に取り組んで行きたいと思います。

本年も、引き続き温かいご支援の程、宜しくお願い申し上げます。