カンボジア 2025年の計画
こんにちは。
カンボジア事務所の菊池です。
本年もどうぞよろしくお願いします。
2025年に入り、カンボジア事務所では1月2日から業務を開始しました。
今年も、職員一同、私たちのミッションである、人間の尊厳と多様性を尊び、共に生き、共に学ぶことができる「平和な社会」の実現に向けて、尽力してまいります。
カンボジアでは、昨年、教育・青年・スポーツ省(以下、教育省)より、2024年~2028年の教育戦略計画が発表され、教育の質の改善に向けた取り組みが進められています。また、2023年末にはモデル学校スタンダードが発表され、教育省による評価活動が行われており、基準を満たす質の高いモデル学校が増えてきています。教育改革が早いスピードで進む一方、都市部と農村部の教育格差は依然として大きく、特に農村部や僻地の学校における学習環境改善は喫緊の課題です。
カンボジア事務所では、2025年も継続してカウンターパートと密に連携し、教育課題の改善に向けて取り組みます。特に今年から開始するシャンティの中期計画(2025年~2030年)に沿って、現在の社会ニーズにあった事業の展開を進めていきます。管理・運営面においては、シャンティの運営現地化方針に沿った次世代リーダーの育成をするとともに、カンボジア事務所の今後の世代交代も見据え、職員間の知見や経験を共有する機会を増やしていく予定です。
ここから、今年実施予定の事業・活動をご紹介します。
今年は、タイ・ラオスと国境を接するカンボジア北部のプレアビヒア州での幼児教育事業、バッタンバン州・ポーサット州での小学校建設、そして、プノンペン市および農村部での読書推進活動を予定しています。
1.幼児教育事業
幼児教育事業は、昨年から事業地をバッタンバン州からさらに困難な地域へと拡大しており、2024年のオッドーミンチェイ州に続き、今年はプレアビヒア州で初めて事業を実施します。公立幼稚園の環境を改善することを通して、事業対象地の幼児教育のアクセスと質の改善を目指します。
<活動内容>
● 公立幼稚園3園に対して、園舎、水衛生施設の建設および園庭の整備をします。
● 同3園の教員、教育行政職員に対して、幼児教育活動の実践手法や保護者への啓発活動にかかる研修を実施し、能力強化を図ります。
● 幼稚園教員と協働し、保護者向けの啓発活動を通して、保護者の幼児教育に対する理解を促進します。
● 日本人専門家を招聘し、幼児教育実践のための現地指導を行います。
2. 小学校の建設活動(ドリーム・スクール活動)
バッタンバン州、ポーサット州の2州にある老朽化した校舎がある公立小学校を対象に、校舎の建設を行い、児童が安全に学べる環境を作ります。
<活動内容>
● バッタンバン州およびポーサット州の3校に3教室の新校舎を建設します。
● 学校敷地図計画および施設維持管理にかかる研修会を行います。
3. 都市部と農村部での読書推進活動
プノンペン市およびバンテアイミンチェイ州、シェムリアップ州、コンポントム州、バッタンバン州、プレアビヒア州を対象に、読書推進イベント、移動図書館活動を実施し、子どもたちの読書機会を増やしていきます。また、バッタンバン市の特別支援学校と協働し、同校の読書環境の改善を行います。
<活動内容>
● プノンペンにおいて、国立図書館・国内の読書支援団体と協働して読書推進イベントを開催します。
● 幼児教育事業の対象園、コミュニティ学習センター、バッタンバン市内の小学校等に対して、移動図書館活動を行います。
● バッタンバン市の特別支援学校の図書館整備、人材育成研修を行います。
● 事業・活動の対象施設に対して、日本の絵本を配布します。
私は、カンボジア事務所の所長となって、2025年4月で丸2年になります。
2023年、2024年と現地職員と活動を共にし、将来のカンボジア事務所についての話も重ねてきました。現地職員から、2025年には新たな取り組みをしていきたいと声が上がっています。今年は、こうした声を反映し、事業の目標達成やミッションの体現に向けて、皆と協力しながら「進む」年にしていきたいと思います。
2025年が皆様にとって素晴らしい1年になりますように。
本年も何卒よろしくお願い致します。
<使用絵本> 「おおきなかぶ」福音館書店、「はらぺこあおむし」偕成社
カンボジア事務所 菊池