2021.08.12
海外での活動

CRC運営委員会の力

ミャンマー

クーデターから約6か月が経過しました。
現地の人権団体によりますと8月10日時点で死者は965人、拘束者は5,534人の上っています。今もなお各地域では、小規模とはいえ市民によるデモは続いており、治安部隊との衝突により犠牲者が出ています。こうした中、ミャンマーでは6月以降、新型コロナウィルス感染が急拡大しています。7月のコロナによる死亡者数は6,000人に達しました。8月以降も1日の死亡者数は200~300人と続き、8月12日現在死者12,452人、累積感染者数は341,300人を記録しています。クーデターにより検査数が激減、また医療従事者の多くが市民不服従運動(CDM)に参加し、人手不足に陥っています。

2月のクーデター以降、ミャンマーでは軍による医療従事者や医療施設への攻撃は260件以上あり、少なくとも25人の医療従事者が弾圧により死亡、さらには医療従事者600人以上に逮捕状が出されているとメディア等で発表されています。実際の数字はこれらより多いかもしれません。軍が管理している隔離施設や病院には入りたくないとの思いから、自宅療養を選択する人たちは多く、結果自宅で亡くなるケースも増加しています。薬を求めて薬局前には長蛇の列が見られたり、感染予防対策として免疫力を付けるため栄養価の高い卵や鶏肉を買い求める人々が増え、そのため価格が上昇したり、とクーデターとコロナ、二重苦に直面しています。そうした中でも、コロナ患者に無料で治療を行う医師や自宅療養宅に食料や薬を毎日のように届ける人たちの存在を知れば知るほど、ミャンマーの人たちの強さを改めて感じています。一日も早い収束を願うばかりです。

先月、コミュニティー・リソース・センター(CRC)の運営委員会とオンラインで四半期会議を行いました。クーデターやコロナ禍で一時的な閉館を頻繁に余儀なくされてきていましたが、同委員会の協力の下、開館できる状況下で出来る限りのサービス・活動を提供し、図書の貸出しや絵本の読み聞かせなどを実施してきました。会議では上半期の振り返りを行いました。「コミュニティーと一緒にCRC敷地内の清掃と環境整備を終えました。」「井戸の修理を行いました。」「移動図書館活動を通じて本を貸出しました。」「CRCの周りに植えた花が枯れてしまいました。すみません、水やりが足らなかったです。」色々と報告が上がりました。委員長の説明が足らなかったのか、「これも伝えないと!」と言わんばかりの顔つきで委員長に話し続けている女性委員、その間画面越しで長い時間待たされましたが、笑いもあり、和やかな雰囲気で進行しました。こうした状況下でもCRCのために委員会が一丸となって頑張ってくれている姿に目頭が熱くなりました。事業地訪問が出来ない期間が続いてきていましたが、スタッフはオンラインや電話を通じて出来る限りのコミュニケーションを図ってきていました。対面が叶わずとも、スタッフたちがCRC関係者とのより良い関係作りに努力してきたからだと思っています。自分も信頼関係をもって事業を行うことを常に念頭に置いています。

四半期会議終了後の集合写真

四半期会議終了後の集合写真

CRC運営委員会の引続きの連携により、未来に向けCRCがコミュニティーに根付いていくことを願っています。

ミャンマー国境支援事業事務所
中原