2023.12.04
緊急人道支援

【令和5年7月豪雨 vol.5】年越し前に笑顔を

国内災害
水害

令和5年秋田水害支援

 

国内緊急人道支援担当の中井です。

約ひと月半ぶりに秋田市にて活動。

この間、秋田市社会福祉協議会や秋田県曹洞宗青年会やそのOBと共に復興支援イベント「まるっと落語会」の準備をしてきました。

そして、11月27日、28日の両日、3地域4回の活動を行ってまいりましたのでご報告です。

 

今回の企画は、約15年前北秋田を襲った水害で被災者支援として開催された「がんばるべ北秋田!被災地激励落語会」に関わっていた当会関係者より声が上がり始まりました。

発災から4か月余り経ち、現地では今も復旧作業が続いていますが、被災された住民さんに笑顔になってもらいたい、地域の交流が更に深まる機会になって欲しいという思いのもとに、多くの方々が集まり、落語芸術協会 桂枝太郎師匠をお招きし、落語会を開催。水害支援として行われてきたサロン活動の一環として実施され、参加者は落語を楽しみたくさん笑った後は、お茶っこ会で近況をお話しました。久しぶりに会った住民の皆さんからは「昨日キッチンのシンクが入ったの」、「正月は1階で過ごせそう」などと少しずつではあるが復興に向かう様子を聞き、元気な声を聞けたことが何よりうれしかった。また、住民同士も抱き合って再開を喜ぶ姿も見られました。

久しぶりの再会に喜び談笑

 

落語会は、地域のコミュニティセンターやお寺を会場として、住民さんと高座の距離は手が届くほど近く、枝太郎師匠の息遣いが間近に感じられました。秋田要素を盛り込んだ噺はすぐに参加者の心をつかみ、会場は笑いに包まれました。また、岩手県奥州市出身の枝太郎師匠が東日本大震災の実話をもとに創作した「ユキヤナギ」を披露。笑いの中にも、東北の復興を願うメッセージを受け取り目頭をおさえる方も…。

会場の一つである源正寺では、おいしいお米と豚汁が振舞われました。独り暮らし高齢者の多いこの地域では、聞くところによると、コロナから今回の水害で例年行われていた地域イベントは中止され、交流の機会が少なくなっていたそうです。この度の落語会がたくさんの人と笑い、食事をとり、悩みを共有する機会の一つとなれば幸いです。

落語会の様子

 

秋田市では雪が降り始め、冬景色になりました。今は浸水した家屋の対応に加え、冬の防寒対策も必要となってきているとのことです。発災からしばらく時間が経った今、落語会を実施するにあたり地元住民・団体の協力はなくてはならないもので本当に力強かったです。今回の活動をきっかけにサロン活動がより周知され、多くの住民さんの悩みを拾うことのできる場所が残っていくことをお祈りします。

 

共催:秋田市社会福祉協議会

協賛・協力:落語芸術協会、曹洞宗秋田県宗務所、曹洞宗秋田県宗務所婦人会、秋田県曹洞宗青年会、秋田まるっと会議

食材提供:いとく新国道店

 

※当事業は、「赤い羽根共同募金」と「日本財団」の助成金、皆さまのご支援を受けて実施しております。