2016.05.08
緊急人道支援

【熊本地震】学校再開と避難所の統廃合

国内災害
震災

シャンティが、NPO法人れんげ国際ボランティア会(ARTIC)と共同で支援を実施している熊本市では、5月10日までに市内の幼稚園から高校まで全148校について、再開を予定していることが発表されました。

災害後、勉強の遅れをとり戻すことが早急な課題ですが、子どもたちをより早く通常の生活に戻してあげることは、心理的側面からも必要であると言われています。

市内はマンションなど集合住宅も多く、また人口密度も高く被災者数が多くなっています。避難所に適した施設や広い公園もない中、多くの学校が避難所として活用されてきました。今回の熊本市の決定を受け、市内18カ所の拠点避難所が指定され、避難所の統廃合が進められています。

sIMG_4078 学校避難所て=の炊出し
学校避難所での炊き出しの様子

熊本市は、避難者を対象にした聞き取り調査を行いました。結果は、「自宅の全半壊で帰宅は当面困難」35%、帰宅の条件として「余震が収まること」26%、「家の中の片付け」16%と発表されました。シャンティが傾聴活動を通して直接耳にする被災者の声も、ほぼ同じ内容です。

sIMG_4175 倒壊した家 (益城町)
倒壊した家屋(益城町)

sIMG_4088 フ=ロック塀(西原村)
崩れているブロック塀(西原村)

sIMG_4192 廃棄された家具(東区)
家の中の片付けで廃棄された家具

連休のタイミングで帰宅や別の場所に移動される方もいますが、拠点避難所に移らず元の避難所に残ることを選択される方もいます。

最初に避難した場所に残る予定の方には、ご高齢の方が多くいらっしゃいます。指定の拠点避難所は自宅から遠く、子どもを転校させたくない、慣れ親しんだ知合いがいるコミュニティやかかりつけの病院から遠くなってしまい、自宅に戻るにも交通費がかかってしまう、など、移動が容易ではない現実を耳にします。一方で帰宅する方も、まだ続く余震の不安を残して心理的な影響も心配が残ります。

sIMG_4138 避難所て=の足湯
足湯をしながらの傾聴

熊本市災害ボランティアセンターによると、現時点で依頼の3%程度しか対応が追いついていません。家屋の安全性やご依頼のお宅までに移動する時間がかかるなどの課題もあるようですが、ゴールデンウィークがあけるとボランティアの数も激減し、被災者の支援が減ることも予想されます。

市内は一部を除きライフライン復旧や店舗の再開により生活が戻ってきていますが、被災者の方々の置かれた状況はまだ厳しいものです。

シャンティでは、炊き出し支援をこの連休で一旦終了し、刻々と変わる被災地の状況を把握するため、ARTICと情報収集を行いながら、今後の支援活動を検討していく予定です。


本件に関するお問い合わせ先
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会 担当:緊急救援室 木村、竹内
〒160-0015 東京都新宿区大京町31 慈母会館2、3階
Tel: 03-6457-4586 FAX: 03-5360-1220 E-mail: eru@sva-old.skr.jp