2011.05.20
海外での活動

教員研修会

ラオス

サバイディー!

ラオス事務所の仁井です。



ラオスは例年よりも早く雨季に入ったらしく、大雨が降ったかと思うと、すぐにからっと晴れたりしています。これからの季節は自転車通勤が大変だなぁと思っているところです。



さて、ラオス政府は教育改革の一環として去年教科書を改訂しましたが、現場ではまだ古い教科書を使っている教員も多くいます。また、新しい教科書を見たことのない教員が多くいることも事実です。

その理由として、教科書は改訂されたものの、教育省の予算不足より新教科書の配布が思うように進んでいないこと、新教科書の内容を熟知し、教員をトレーニングできる人材が限られていることが大きな要因だと考えられます。


そこで、学校教育支援(SEA)事業課は、5月3日から15日まで、教員が「新教科書の使い方・教え方」を習得するための研修を、ラオス南部サラワン県ワピー郡とラオンガム郡で実施しました。

 

説明を聞いている教員たち観察していると、今回の研修会は失敗たか、と思ってしまうほどでした。

研修会初日の午前中、教員ははじめて触れる新しい内容に戸惑い、緊張している様子でした。しかめっ面で、うつむき加減で講師のたち。

しかし、午後になると状況は一変しました。
新しい内容の教え方について、グループでの議論が始まった途端、午前中の沈黙がまるで嘘だったかのように活発な議論が始まったのです。
私だけでなく、スタッフも講師もほっと安心しました。

それからは講師に対して次々と疑問・質問が投げかけられ、講師も教員たちの期待に応えようと、説明にも熱が入っていきました。


5日間の研修で、ラオス語、算数、身の回りの世界(理科と社会を合わせたような科目)、美術、体育、ハンディクラフトの新しく追加・削除された箇所が共有され、効果的な教え方について理解が深められました。


今回の研修を受けた教員の数は、2郡合わせて142人。

地方にいても、子どもたちが質の高い教育を受けられること。


研修会での熱い議論を見る限り、地方でも都市部に負けないレベルの教育を受けられる日はそう遠くないのでは、と期待せずにはいられませんでした。


ラオス事務所 学校教育支援事業課補佐 仁井勇佑