山奥で頑張っている先生がいます。
サバイディー(こんにちは)!
ラオス事務所の山室です。
ラオスはもう少しで雨季に突入です。ヴィエンカム郡は雨季になると私たちが行くことができなくなる学校がたくさんあります。なぜかというと、四駆車でさえも舗装されていない山道を行くことが困難だからです。雨が降った後、舗装されていないぬかるんだ土の道をうねうね曲がって、道幅は狭く斜面もきついので、一歩間違えれば崖から落ちて危険なのです。
そういった場所にある学校には、乾季の時期に移動図書館活動を行うようにしています。
その中のひとつがプーコン小学校。モン族の村にある小さな学校です。
郡の中心地から約1時間。車から降りて、さらに急斜面を歩いて下った先にあります。
まわりに牛がたくさん放牧されているので、動物の独特なニオイがします。
学校に到着すると校長のトポロー先生が笑顔で迎え入れてくれて、教員室を案内してくれました。
図書の管理・運営・扱い方などを学ぶための研修会の際にシャンティが配布した本を手に取り、「この本は結構人気があるみたい。1ヶ月の間に4人が借りていったよ。」と見せてくれました。
次に、「こうやって、貸出した本については記録をとっているんだ」とノートを見せてくれました。
借りた人の名前、借りた本の名前、貸出日、返却日の順に書いてありました。
さらに、「貸出カードは、最初は机の上に小さな箱を置いて管理していたのだけど、箱が倒れてカードがバラバラになったり、生徒がほかの書類と混ぜてしまったりするから、壁に設置したんだ。」と説明してくれました。3つポケットがあるのは、学校が所有する本に番号をふっておいて、その番号に合わせて貸出カードをポケットに入れると管理がしやすくなるからだそうです。
そして校庭に出て、今度は絵本の読み聞かせを披露してくれました。
ラオス語がまだわからない低学年の子どもにもわかるように時折モン語を混ぜながら、時折子どもたちに問いを投げかけ巻き込んでいきながら、そして声色を変えて子どもたちを引きつけながら、読み進めていきました。単純に読み進めるのではなく、読み込んだからこそできるアレンジを加えて子どもたちをおはなしの世界に引きつけている姿を見て、ブラボー!!と心のなかで拍手喝采しました。
「週に1、2回は絵本を活用しているよ。絵本の内容が授業のトピックに合っていたりすると授業で読んでみたり、教科書に出てくる動物の名前がどんな姿なのかを絵本を使って見せたりね。」読み聞かせが終わったあとに、先生は嬉しそうに話してくれました。
先生が絵本を読み聞かせだけではなく普段の授業にも活用してくれることは、私たちが期待していたことでもあったので、とても嬉しく感じました。工夫次第で本がさらに活き、子どもたちの能力が伸ばせることを、トポロー先生は私に見せてくれました。
「またいろんな本を持ってきてね。僕自身も楽しみにしてるんだ。」と最後に先生は言って見送ってくれました。
トポロー先生に会うといつも「子どもたちにどうやったら楽しくて良い教育を届けられるか」と真面目に向き合っている印象を持ちます。
頑張っている先生がこの山奥にいる。そのことが私たちを奮い立たせてくれます。
皆さんも、ぜひ頑張る先生を応援してください!