2015.12.11
海外での活動

複式学級の運営手法改善のためのモニタリング

ラオス

サバイディー、ラオス事務所の加瀬貴です。

先日、事業対象地にて小学校の先生方が複式学級の運営をスムーズに行っているかどうかの確認のためのモニタリングを実施しました。

シャンティでは、複式学級運営の改善活動を昨年7月から実施しています。これまでの流れは、以下です。

①対象地での複式学級運営研修会(対象地の全教員(初等教育および就学前教育の教員)が参加)

②運営研修会後の技術定着の確認および課題の洗い出しのためのモニタリング

(手前がモニタリングをしているトレーナーです)

③モニタリングで見つかった課題の共有とその解決策を話し合うための教育行政官とのフィードバック(振り返り)会議

④フォローアップ(追加)活動の実施(各学区ごとで、技術定着が弱い部分を中心に再度の講習や話し合いを行う)

研修会終了後に、②~④のサイクルを事業実施期間に3回実施します。

上記のサイクル中、15年11月より2回目のモニタリングを行っています。

ここにきて、技能定着が進んでいる教員とそうでない教員の差が大きくなっていると感じます。

技能定着が進んでいる教員は、研修会で使用したテキストを常に持っており、その後の自己学習も行っている一方、そうでない教員は研修会後の自身での改善活動はあまりおこなっていませんでした。

特に、技能定着が進んでいない教員にどうやって、複式学級運営の楽しさを伝え、彼らのやる気を引き出せるのか。そんな課題を感じたモニタリング活動でした。

私たちは特に技能定着が進んでいない教員をターゲットに少人数の研修会の追加や、今後に予定している指導教材(フラッシュカードと呼ばれる単語カード)の配布とその活用研修など、彼らのやる気を刺激できるように工夫していきたいと思います。

どのような活動でもそうですが、いわゆる「やりっぱなし」の活動にならないように、特に研修会を実施する際には、その後の定着度を確認することで、先生たちと「ともに歩み」ながら、事業を行う大切さを感じる、今回のモニタリングでした。

これからも、「他者から学ぶこと」と「自分自身で実行すること」の間にある大きな溝を理解して、教員のみなさんへのサポートを続けていきたいと思います。

ラオス事務所

加瀬貴

*本事業は、JICA草の根技術協力事業を通じて実施しています。