2017.05.16
海外での活動

学校で使われている手作り教材

ラオス

サバイディー(こんにちは)!

例年以上に日本人観光客が多かったゴールデンウィークが終わり、ルアンパバーンの街は雨季の落ち着いた日々を取り戻しています。

本格的な雨季に入る前、学校のモニタリングに行ってきました。

同時に複数学年を教えている教員の授業を1時限まるごと見学して思ったことは、教員の注いでいる労力が、いかに多く大変なことか!ということです。

「前回はこの問題を解いたけど、覚えているかな?今日は教科書○○ページを学びます。」
さらっと前回の授業内容のおさらいと今日の授業の導入を行い、ある学年には課題を与え、ある学年には直接授業を行なっていきます。

1年生、2年生、3年生と、各学年を順に廻って直接指導と間接指導を行なう教員。

そこで、分かりやすく魅力的な授業にするために使っていたのが、手作り教材です。

この日は算数で、シャンティと一緒に作った100玉そろばんを1年生の引き算の直接指導に使用していました。

教員たちからよく聞くのは・・・
「学校予算が少なくて教材を買えない。自分で作るしかない。」
「教材を作るための材料を買うお金がないから、お金をかけずに手に入る自然のものを使うんだ。」

ある学校では、100玉そろばんをシャンティの研修会で学んだ後、身近にある材料を使って、もうひとつ作っていました。

以下に、私がこれまでに見た教員の方々の手作り教材を、少しご紹介します。
(ぜひ、日本の学校で使ってきた教材を思い起こしながらご覧下さい。)

ラオス語の子音カード
ラオス語の子音カード

ラオス語の子音カード

ラオス語の母音組み合わせボード
ラオス語の母音組み合わせボード

木の板で作った三角ブロック(正三角形、二等辺三角形)
木の板で作った三角ブロック(正三角形、二等辺三角形)

天秤
天秤

月ごとの出来事・農作業の図説
月ごとの出来事・農作業の図説

そろばん
そろばん

数を数える道具(竹箸、瓶のふた、石)
数を数える道具(竹箸、瓶のふた、石)

数を数える道具(竹箸、瓶のふた、石)

数を数える道具(竹箸、瓶のふた、石)

農作物(お米、木の実、トウモロコシ、豆)
農作物(お米、木の実、トウモロコシ、豆)

英字の読み方表(小学3年生以上は英語の授業があります)
英字の読み方表

はさみがない学校は定規を使って紙を切り、三角定規のない学校は木の板で自作して、写真や図鑑がない学校は絵を描いて単語の意味を視覚化して・・・、挙げたらきりがありません。

もちろん、すべての教員方が手作り教材を揃えているわけではありません。
工作が得意な人、苦手な人、作り方をあまり知らない人、作る時間がない人(特に校長先生)。。。
それでも、多くの教員方が忙しい中、良い授業をするために地道な努力をたくさんしています。

なぜなら、「児童が授業に集中するようになってきた」「児童の成績が良くなってきた気がする」などの声が最近聞こえてきたように、教員が児童の様々な変化を感じて、手ごたえを感じるようになってきたからではないでしょうか。

そんな頑張る教員方を、ラオス事務所は引き続き応援してしていきます。
日本の皆様からのエールも、お待ちしております!

トンクーン先生
3学年を同時に教えているトンクーン先生。手には授業案。

様々な方法で皆様からのご支援を受け付けております。
(詳しくはコチラからご覧頂けます。)

ラオス事務所 山室仁子

おまけ:

いくつかの学校では、遊具も村の人たちと協力して手作りしています。
(この滑り台とブランコは、釘が出ていて少し危険でした。)