2024.08.30
緊急人道支援

ラオス ヴィエンカム郡洪水被災者への物資配布が完了しました!

ラオス
事業終了
水害
活動風景

みなさん、こんにちは。ラオス事務所のサイサモンです。

今年の夏、世界中で自然災害が多発し各地域で多くの被害を出しています。ラオスも例外ではなく、7月23日から24日にかけて局地的に大雨が降り、ルアンパバーン県のヴィエンカム郡に大洪水が発生しました。

これを受け、ラオス事務所は、被災した67世帯の家族に食料と衛生用品を配布しました。

(洪水発生時の様子を書いたブログ記事もぜひご覧ください。ラオス 洪水被災者への緊急人道支援を開始しました!

 

洪水による被害状況

ヴィエンカム郡には、72の村が存在しますが洪水の被害を受けたのはその内の13カ村でした。

洪水により全壊した家

川沿いの家や食料倉庫の被害の様子

洪水が到達した高さを示す跡

また、この洪水は建物への被害に加えて食料倉庫や家畜、米や野菜の畑等にも甚大な被害を与えました。その結果、多くの人々が食料や食料源を失いました。さらに、飲料水や石鹸等の衛生用品が確保できず、洪水後の人々の健康被害が懸念されていました。

こういった状況に対応するため、シャンティは食料と衛生用品の配布を実施することとしました。

 

物資配布の準備

支援をすることが決まってすぐに、シャンティはヴィエンカム郡の長官及び臨時の災害管理局と調整を開始しました。

当局より、最も支援を必要とする世帯のリストと足りていない物資の情報を入手し、それに沿って支援物資の調達と梱包作業を行いました。

今回一世帯当たりに配布した物資内容は、米45kg、飲料水18リットル、石鹸18個、衣類用洗剤3パックです。

事務所にて調達物資を梱包している様子

飲料水を運搬用のトラックに積んでいる様子

配布用の米(計3,015kg)

 

食料物資・衛生用品の配布

物資の調達と梱包が完了した後、8月21日から23日にかけて洪水被災者への物資配布のためヴィエンカム郡を訪問しました。

対象となる村までの道中、いたるところで地滑りが発生した痕跡が見られました。また、洪水で運ばれた土砂が積もり、それを取り除く作業が行われていました。

道路に積もった土砂の撤去作業が行われている様子

発災から約一か月が経った後も未だ多くの地点でこのような作業が行われていたことから、発災直後の交通状況は大変ひどかったことが想像できます。

こういった道路状況の中なんとか郡の中心地までたどり着き、災害管理局を訪問し、物資配布の手順等について打ち合わせをおこないました。

副長官と社会福祉局の職員と打ち合わせを行っている時の様子

その翌日、実際に洪水の被害にあった5カ村を訪れ、計67世帯(367人)に対し食料物資及び衛生用品の配布を行いました。

配布時の様子①

配布時の様子②

配布時の様子③

配布時の様子④

 

被災者の声

物資の配布が完了した後に、被災時と現在の状況について伺うべく受益者に聴き取り調査を行いました。

ブンホン職員が被災者に聞き取りを行っている様子

聞き取り調査からは、被災者の悲痛な思いが伝わってきました。

一部の声を紹介します。

私は、20年間かけて一生懸命働きお金を貯めそして家を建てました。今回の洪水でその家が流されてしまった。今後、どうやって家を建てればいいのか分からない。

42歳 男性

 

私たち夫婦は、数年前にタイに出稼ぎに行きました。実は、つい最近この地元の村に帰ってきたばかりです。一生懸命働いて貯めたお金で土地を買い家を建てたばかりでした。それが、洪水で流されてしまい、今は妻の実家に身を寄せています。

今回シャンティの支援を受け、米や石鹸が手に入り、少しだけ気持ちが楽になった気がします。

30代 夫婦

 

終わりの見えない復興作業

配布後に行った聞き取り調査では、「もとの生活に戻ることはもう二度とない」といった落胆の声が聞こえてきました。今回の洪水は、人々の心にも大きな傷を残していったんだと感じました。

全ての物資配布が終了した後に群教育スポーツ局職員に案内され、洪水被害を受けた小学校を訪問しました。

学校に到着して、その被害を目の当たりにして我々は愕然としました。

教室から投げ出された家具

教室の中の様子

使用できなくなった教材

教室の中に運ばれてきた泥がたまっている様子

ラオスの学校は洪水発生時は夏休み期間中で、子どもたちが学校で被害を受けることは免れましたが、泥の片付けや教室の掃除、新しい家具や教材の調達には相当な時間がかかりそうです。

今回は人命を優先する観点からシャンティは学校への緊急支援ではなく、緊急物資の配布を実施しました。ですが、子どもたちが安心して学びを継続することも非常に大切なことです。私たちは、洪水の被害を受けた学校がすぐに再開できるよう早い復興を願うばかりです。

また、今回家や食料に甚大な被害が出たご家族のみなさんが、以前の安心して暮らせる環境に一日でも早く戻れることを心からお祈りしています。

 

ラオス事務所 サイサモン