2021.12.20
海外での活動

現地総務経理課長から見たクーデター下の事務所運営の難しさ

ミャンマー

こんにちは、ミャンマー事務所総務経理課長のメメです。現地事務所には事業を担当する職員以外にも、経理や総務を担当する職員もいます。本日は総務経理担当から見た、コロナとクーデター下の事務所運営面での苦労や課題をお伝えします。

絵本を楽しむ子ども
(写真:川畑 嘉文)

オンライン中心の事務所運営

2020年3月にミャンマーでも新型コロナウイルスの感染者が確認されて以降、ミャンマー事務所では在宅勤務を取り入れています。ミャンマーの保健省が発令する行動制限措置に従い、職員は1週間に2~3回のみ事務所での勤務が可能です。会議や職員研修も全てオンラインで開催し、私たちもオンラインで仕事をすることに慣れてきました。しかし、事務所でなければできない仕事も多く、そういった場合には迅速に対応することが困難でした。

厳格化される行政からの管理

情勢不安が続いている状況では、移動をするにも一苦労です。職員が事業地へ訪問する際や管区(日本では県にあたる行政区画)をまたぐ移動には推薦状が必ず必要となります。また、それとは別に、地方当局へ職員一覧の提出が義務付けられました。

一番の課題は銀行問題

最も苦労する点は現金の引き出しと支払です。2021年2月以降、外貨預金からは引き出しができなくなりました。私たちはヤンゴンとピーの2拠点に事務所を構えているのですが、ヤンゴン事務所で使用していた外貨預金口座が使えなくなり、ピー事務所からヤンゴン事務所へ送金をせざるを得ない状況です。他にも事業に関する支払も困難な状況が続いています。というのも、銀行は1週間に1度500,000チャット(約32,000円)までという引出上限額を定め、かつ先着順でチケットを得た人しか引き出すことはできません。現金の調達に苦労しているのはどこも同じため、多くのお店が支払いを現金のみに制限し、現金を確保しようとしています。そのため、金額の大きな支払をする際には、1度で支払うことが困難です。お店によっては振込での購入ができるものの、振込支払には追加料金を課していることもあります。私たちの事務所でも十分な現金を確保できておらず、少額ずつの支払いでなんとか対処しています。

事務所運営面でも厳しい状況が続いていますが、2022年も引き続き皆さまの力を借りながら、事務所メンバーと協力して、ミャンマーの子どもたちへの活動を続けていきます。

ミャンマー事務所 メメ