2015.10.02
海外での活動

タヤワディ県公共図書館にて児童スペースがオープン!

ミャンマー

昨年12月にピー県にある6ヶ所の公共図書館に児童スペースが設置され約9ヶ月が経ちましたが、2年目となる今年は隣のタヤワディ県にある8ヶ所の公共図書館を対象に児童スペース設置と児童サービス開始に向けた準備を進めてきていました。8月には日本から専門家を招聘し児童サービスに関する5日間研修を実施、その後、9月下旬の児童スペース開設を目標に最終調整を行ってきました。そして各図書館が積極的に準備に取組んでくれたお陰で9月28日、最初となるタヤワディ県とラパダン郡2ヶ所の公共図書館にて無事に開設セレモニーを行うことができました。残り6ヶ所の公共図書館についても10月1日~3日の3日間にかけて順次、オープンしていくことになっています。

①タヤワディ県公共図書館の児童スペース設置前の館内様子
タヤワディ県公共図書館の児童スペース設置前の館内様子
②新たに配架する子ども向け図書の準備をする図書館スタッフたち
新たに配架する子ども向け図書の準備をする図書館スタッフたち
③児童スペース設置後の様子
児童スペース設置後の様子
④ラパダン公共図書館の児童スペース設置前の館内様子
ラパダン公共図書館の児童スペース設置前の館内様子
⑤児童スペース設置後の様子
児童スペース設置後の様子

セレモニーには、郡行政事務所長、情報局職員や学校関係者の方々の参加の他、ちょうど出張に来ていた東京事務所の神崎、藤川スタッフも同席のもと、一番の主役であった子どもたちの笑顔に囲まれながら、終始、アットホームな雰囲気で終えることができました。

⑥セレモニーに参加した子どもたち
セレモニーに参加した子どもたち
⑦セレモニーに参加した子どもたち
セレモニーに参加した子どもたち

昨年のピー県同様、タヤワディ県でもセレモニーの最初に代表者によるテープカットが準備されていました。これはミャンマーでは一般的な慣わしですが、昨年、ハサミの具合が悪くて、シャンティ担当のところだけ切れないというハプニングがあったことを思い出し、カットの前にハサミの確認をしなければと焦ってしまいました。

⑧テープカットの様子
テープカットの様子

セレモニーに出席いただいたタヤワディ県公共図書館のチヂタン情報局代表からは「シャンティ国際ボランティア会の協力のもと、児童スペースが開設できたことを大変嬉しく思います。読書を通じて世界の様々なことを知り、知識や経験を身に付けこれからのミャンマーを支える人材になってほしいと切に願います。」とのお言葉をいただきました。実は彼女はピー県公共図書館情報局の代表として勤務されていて児童サービスへの活動にとても理解をもってもらっていたのですが、突然の異動辞令が出たとのことで残念に思っていたところ、次の勤務先がタヤワディ県と聞き、とても不思議なご縁を感じました。タヤワディ県で今後活動していく上でとても心強い存在です。

⑨タヤワディ県公共図書館チヂタン情報局代表によるスピーチ
タヤワディ県公共図書館チヂタン情報局代表によるスピーチ

今回のセレモニーを通じて感じた昨年との大きな違いは、図書館スタッフの成長ぶりを目の辺りにしたことでした。読み聞かせのノウハウもまだ良く分からず経験も無かった彼らでしたが、自信を付けて子どもたちの前で堂々と読み聞かせをしている姿に、目頭が熱くなりました。そして図書館員の方々にとっても子どもたちを前にしての初の読み聞かせの場であったにも関わらず、研修会での学びや図書館スタッフによるサポートの中で、堂々と読み聞かせをしていた姿に二重の感動を覚えました。私たちの活動は決してすぐに成果が出るものではありません。ですが、時間はかかりながらも一歩一歩着実に前に進んでいっているのだということを改めて実感した時でした。

⑩図書館員による初の読み聞かせ
図書館員による読み聞かせ  タイ語訳絵本「ライオンとネズミ」
⑫図書館スタッフによる読み聞かせ
図書館スタッフによる読み聞かせ   タイ語絵本「グラドゥック・グラディック・グラドック・グラデェック」
⑪図書館スタッフによる読み聞かせ
図書館スタッフによる読み聞かせ   絵本「おおきなかぶ」福音館書店

ミャンマーは今、大きな転換期を迎えている時ではありますが、シャンティの教育支援を通じてミャンマーの子どもたちの未来に少しでも貢献していければと思います。

⑬開設したばかりの児童スペースで読書を楽しむ子ども
開設したばかりの児童スペースで読書を楽しむ子ども
⑭開設したばかりの児童スペースで読書を楽しむ子どもたち
開設したばかりの児童スペースで読書を楽しむ子ども

※この事業は外務省の日本NGO連携無償資金協力により実施されています。

ミャンマー事務所
中原亜紀