児童図書出版研修会で完成した紙芝居が図書館へ!
ミンガラバー。
4月はミャンマーで最も暑い月です。長い旧正月休暇が終わり、気温が少しでも下がるかと期待していたのですが、40度近い猛暑続きでさすがのミャンマー人スタッフたちもかなりまいっています。体調管理が欠かせないところです。
先月のブログで紙芝居制作研修について書きました。グループ制作により素敵な5作品が仕上がったわけですが、それらを公共図書館の児童スペースや移動図書館活動で活用してもらうため、ヤンゴン事務所では14図書館分の印刷、貼付け作業などを研修終了後に進めてきました。一見、単純作業のように思えましたが、これが実はかなり時間のかかる作業でした(汗)。
ちょうど今週、タヤワディ、ピー各県にて四半期会議が開催される予定であったため、それに合わせて準備を行い、何とか配布を終えることができました。同時に図書館スタッフによる紙芝居についての説明、デモンストレーション、そして図書館員による実演と、研修会で専門家の方から学んだ内容を指導する機会にもなりました。図書館スタッフはトレーナーとしての役割も求められているため、実際に教える場を積み重ねることが必要になります。現状では専門家の方から学ぶ機会があまりないこともあり、日々、切磋琢磨しながら自分たちの技能を高めてきている状況です。ですのでこうした機会は本当に貴重だと、それぞれの役割を担っているスタッフたちを目にし、強く思いました。
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「絵本と紙芝居の特質と違い」についての説明。3月の研修会で使用したミャンマー語資料を改めて事前にじっくり読み込みました
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日本語の紙芝居「おおきくおおきくおおきくなあれ」のデモンストレーション。「ぬき」の効果を見てもらいました
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研修会で制作されたミャンマー紙芝居「動物へ行こう」のデモンストレーション。ぬきながらあてっこしあう「参加型紙芝居」を見てもらいました
40度近い気温の中、冷房設備がなく、特に午後の紙芝居セッションの時は私も含め皆、朦朧として集中力に欠けていましたが、研修会で制作した紙芝居や日本からの新しい紙芝居を目にすると、一気に目が覚めたのか、大きな声であてっこし合ったり笑い合ったりの様子。紙芝居が楽しかったからだと思います。是非、この実感を子どもたちにも届けてほしいと願いました。
3月の研修会で紙芝居を演じる時に舞台は欠かせないとやべ専門家にご指導を受け、現地で作った紙芝居舞台を使い、各図書館による練習が最後、行われました。まずは脚本を読み始める図書館、すぐに実演に入り、聞き手が「ぬき方が間違っているわよ!」「あてっこしないの?」と積極的な姿勢を見せる図書館もあり、全員が紙芝居に夢中になっている雰囲気が感じられました。
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脚本をしっかりと読んだ後に実演に移ったテゴン公共図書館の図書館員
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ぬきながらあてっこする手法を練習するパッカン公共図書館の図書館員
ミャンマーのイラストレーター、作家そして編集者により制作された紙芝居が、図書館を通じてミャンマーの子どもたちに届けられます。その後、各図書館で子どもたちの反応や感想を研修会参加者にフィードバックすることにしています。それらが励みや糧となり、今後のミャンマー児童図書出版の発展に大きく貢献していっていただけることだと思います。ですが何よりもまず、図書館に通ってくる子どもたち、移動図書館に参加する子どもたちに、是非、5タイトルの紙芝居をじっくりと楽しんでもらいたいです。
ミャンマー事務所
中原亜紀