公立学校教員向けの初めての図書館研修
ミンガラーバー。
ピーでは連日猛暑が続いていますが、そんな酷暑にも負けず日々、子どもたちの教育のために頑張っている人たちがいます。
ミャンマーの教員たちです。
教員の皆さんは新KG*学年のカリキュラムに対応するため、夏休み期間にも関わらず郡教育局主催の教員研修に参加していたのです。
(*KGはKindergartenの略称であるが、幼稚園というわけではない。ミャンマーの教育段階の初めの学年で5歳児が対象。)
ピー県のテゴン郡・ピー郡では4月25日から5月10日までの16日間にわたり研修が行われました。
元々はシャンティからの研修は予定されていなかったのですが、上記2郡の公共図書館・郡教育局からの強い要望により、各郡の公共図書館職員協力の下シャンティの児童サービスの研修が実施される運びになりました。
公立学校の教員に対しての児童サービス研修の実施はミャンマーでは初です!研修には公立学校の教員のほかに、寺院学校の教員も参加していました。
今年度の新KG学年のカリキュラムでは、創造力やコミュニケーション能力の発達が目標となっています。そのためにシャンティの児童サービスの知見が有効活用できるのではないかということで、ピー事務所のスタッフと公共図書館職員が急遽研修に参加することになったのです。
研修は各郡のKG担当教員に対し、一時間にわたって行われました。児童サービスの研修では、おはなしの世界・子どもの心理発達と絵本の関係についての説明、絵本の読み聞かせ・紙芝居の実演とその説明、アイスブレイキング手法の紹介がありました。
(先日ヤンゴンで行われた紙芝居研修の際に完成した紙芝居を披露するネインスタッフ)
実演の際には終始その手法を真似しようと、食い入って見ている教員や、手持ちのスマートフォンで動画を撮影している教員もいました。特に、紙芝居の実演の際は、紙芝居を見るのが初めてなのか、珍しそうにシャンティ図書館スタッフのおはなしを聞いていました。
(郡教育局の職員もスマートフォンで紙芝居の実演を撮影)
お決まりの「おおきなかぶ」の実演では、2015年度学校建設校・ミャレイヨン寺院学校の教員が2人も積極的に参加。寺院学校の教員も公立の教員に積極性では負けていません。
(2月に行われた開校式では大変お世話になったミャレイヨン寺院学校の教員)
最後に、現在準備を進めている移動図書館活用を通じた本の貸し出しサービスについて公共図書館職員から説明がありました。熱心にメモを取る教員の姿が印象的でした。
すでにピー県、タヤワディ県ではシャンティが公共図書館の整備を行ってきているので、教員が公共図書館の児童サービスや本を有効活用することができれば、子どもたちの学習にもよりよい影響を与えることができるのではないかと思いました。
まずは、今後教員が公共図書館の本をたくさん借りてくれることを期待しています。
今回の教員研修では、教員に対して児童サービスのこと、さらには公共図書館の存在を知ってもらう機会を提供できたので、とても有意義な研修であったと思います。
写真掲載絵本
こんにちは アマリン出版(タイ語出版)
おおきなかぶ 福音館書店
ミャンマー事務所
インターン
山田