2015.08.20
海外での活動

ミャンマー洪水支援:事業地であるパダウン郡に物資を届けました!

ミャンマー

ミンガラーバー。
ミャンマー事務所の長沢です。

先日のブログおよびプレスリリースにてお知らせいたしました通り、ミャンマー事務所では図書館事業およびノンフォーマル事業の対象地となるパダウン郡への緊急支援を実施いたしました。調査から物資配布、その後のモニタリングの様子まで一気にお知らせいたします。

8月8日 調査時のパダウン郡の様子

2. Padaung Tws Admin Office
一階部分が浸水した郡総務局
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自宅が浸水したためペットと共に避難した女性
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浸水した家屋
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小舟で調査中の長沢とトータスタッフ
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洪水した市立図書館の前で調査に協力して下さった郡の担当者の方と

この時は主要道路以外が全て浸水。寺院を避難所として開放したり、また避難キャンプが主要道路沿いに立ち上がっていましたが、道路のそばに自宅のある方々は主要道路沿いに簡易小屋を設置し避難していました。家畜を飼っている人が多いことから、牛・豚・鶏・アヒル・ガチョウなどの動物たちも道路沿いに避難させられていました。

●8月14日 物資輸送と配布
調査時に、米や油といった食糧については行政からの支援が十分にある状況とは言え栄養の偏りが懸念されたことから魚の缶詰、そして長期の避難所・簡易小屋生活のため下痢などの体調不良を起こす人が多いことから郡から強い要望のあった経口補水塩、避難中だけでなく自宅に戻ってからも使えるようにとビニールシートを今回は配布することと決めました。

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郡総務局の担当者とともに物資の仕分けをしている様子
4. delivery to Tat Thit Kyon-2
対象となるタッティチョン村への物資輸送(ボートで約15分)
3. delivery to Tat Thit Kyon-1
タッティチョン村の中心地まで物資を運ぶ様子(手前はコウースタッフ)
5. Tat Thit Kyon House
タッティチョン村の家屋。いまだに膝下までの泥のぬかるみが残る状態
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村の物資の拠点となる寺院の前
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主要産業である豆が泥につかってしまったため、川で洗う様子

●8月18日 モニタリング

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10日前の調査時に浸水していた学校とその周辺
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自宅前の水がいまだに引かない様子
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帰宅しても一階部分が泥で生活できない家屋
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ビニールシートを受け取った女性たち。いまだに簡易小屋にて避難生活中です

数日後の訪問ではありましたが、すっかり水が引き町には日常が戻っていました。人間とともに避難していた家畜やペットたちも自宅に戻っていたからか、道路で動物を見かけなくなりました。スタッフのトータは「道路に避難してた時は吠えなかった犬が、自分の家に帰った途端に吠えだした。きっと自分の居場所に戻った安心感からだろうね」と話していて思わず納得してしまいました。

全ての避難キャンプが解散されたとのことでしたが、それでも道路脇に避難している方をまだたくさん見かけました。家の中が汚染された泥に浸かってしまい、悪臭でとてもじゃないけど帰れない、まだしばらくはここにいなければならない、といまだに仮設小屋で生活している女性がお話し下さいました。避難所のリーダーだった方からビニールシートを受け取り、「外での生活にはとても役に立つわ、ありがとう」とおっしゃってくださいました。

調査時にどこに行っても「洪水は毎年のことだから慣れてる」「大丈夫、ものは十分に支給してもらってる」という声を聞きました。いまだにどこまでが本音なのか、それとも遠慮してそうおっしゃっていたのか分からないのですが、どことなく後者だと感じています。また、一般の方々が少しずつお金を出し合って物資を被災地に届ける姿も幾度となく見て、この国の人同士が助け合う力の強さを改めて感じました。

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余談ですが、被害が大きかった地域はもともとアクセスの悪い場所でもあり、私が日本人だと分かると「うちの村に来た初めての外国人だ」とたくさんの村人に囲まれたり、タッティチョン村ではなぜか「記念の一歩」ということで足跡を残させられ、証拠写真まで撮られました(笑)。疲れのピークでしたが、スタッフのユーモアに救われた瞬間でした。

 

ミャンマー事務所 長沢有華