ミャンマーの通貨と物価
ミンガラーバァ(こんにちは)、ミャンマー事務所インターンの川村です。
突然ですが、みなさんはミャンマーの通貨をご存知でしょうか?
日本の通貨はもちろん円¥ですね。
その他にも、米ドル$、欧州連合(EU)のユーロ€、そして英ポンド£などは世界的に有名かもしれませんが、「ミャンマーの通貨は?」と突然聞かれて即答できる方はなかなかいないのではないかと思います。
そこで、今回のブログではミャンマーの通貨とそれにまつわる経済トピックをご紹介し、知られざるミャンマー経済の一面をお伝えしたいと思います!
冒頭での質問の答えですが、ミャンマーの通貨は「チャットKyat」といいます。
このチャット(Kyat)の起源は、11~13世紀のパガン王朝期まで遡ることができ、当時の商取引の媒介役として使用されていた金・銀・銅・宝石類の重量の単位が「チャット」と呼ばれていたという歴史があります。
現在市中に出回っている通貨チャットはミャンマー中央銀行が発行している紙幣のみで、日本と違って貨幣はありません。
紙幣の種類としては、10,000チャット札、5,000チャット札、1,000チャット札、500チャット札、200チャット札、100チャット札、50チャット札の7種類が主に流通しています。
<5000チャット札>
<1000チャット札>
<大きさが違う2つの500チャット札。片方が偽札ではなく、どちらも正式な500チャット札です。>
<500チャット札の裏面>
<ボロボロの200チャット札と本来の200チャット札>
<200チャット札の裏面>
<いつもボロボロの100チャット札>
<いつもボロボロの50チャット札>
※今回、10,000チャット札は用意できませんでした…申し訳ございません。
ミャンマー中央銀行のホームページによると、最新の公式為替レートは「1米ドル=1,361チャット」で、「1円=12.449チャット」となっています(2017年8月21日時点)。
「1円=約12チャット」ということですが、これを大雑把に言えば「ミャンマーの物価水準は、およそ日本の12分の1」ということになります。
赴任当初、私はミャンマーで買い物や外食した際に提示される価格を見て、それがリーズナブルな値段か否かを判断するために、いつも頭の中で「値段×12分の1」の計算をしていましたが、赴任して3ヵ月以上経った今では、そんな面倒な計算をしなくてもミャンマーの物価水準が皮膚感覚で何となく分かるようになってきました。現地の生活に慣れるという意味では、これも一つの成長の証と言えるかもしれません笑。
少し話を戻しますが、果たして「ミャンマーの物価水準は、およそ日本の12分の1である」という命題は本当に正しいのでしょうか?
ミャンマーで生活している日本人に聞けば、それほど間違っていないという回答が多数派かもしれませんが、今回私はこの命題を打ち破る2つの商品を発見しましたので、それをご紹介いたします!
その2つの商品とは、日本でもお馴染みの飲料である「コカコーラ」と「ポカリスエット」です。
日本のスーパーでは、それぞれ500mlペットボトルが100円前後で販売されていたように記憶していますが、これが正しければ、先の円・チャット為替レートに基づいて、ミャンマーではそれぞれ一本あたり1,250チャットで売られているはずです。
さて、実際はどうでしょうか?
なんと、ミャンマーではコカコーラの600mlペットボトルが400チャット(=約32円)、ポカリスエットの500mlペットボトルは550チャット(=約44円)で販売されています!
そのうえ、当然かもしれませんが、日本とミャンマーで味の違いは全くありません!(※味覚には個人差がございます。)
コカコーラについては、ミャンマー国内での現地生産が2013年から始まっており、本来なら海外から輸入しなくてはならないところを国内生産で代替しているため、その分生産コストを抑えることができているのかもしれません。
ミャンマー国内のポカリスエットは、大塚製薬のインドネシア法人を通じて輸入されているようです。同社は昨年からミャンマー向けの輸出に力を入れているため、価格競争で生き残るためにも、このような相対的に安価な価格設定をしているのかもしれません。
ミャンマーの物価についてはまだまだ語りたいことがありますが、長いブログはよろしくないので、今回はここで筆を置くことにします。
この続きはぜひ次回のブログで書きたいと思います。
ミャンマー事務所インターン
川村 圭
※本インターンシップは、外務省主催平成29年度NGOインターン・プログラムの一環として実施されています。