ミャンマーのお墓事情 日本と似ているようで違う葬儀事情
こんにちは、ミャンマー事務所倉持です。先日、知り合いの友人の葬儀に参列させて頂きました。その際、ピーで行われている葬儀や葬送について知ることができたので、紹介していきたいと思います。
*故人のご親族の方に写真撮影やブログ使用の許可を頂きました。
どのように棺を運ぶのか
まず私が参加した葬儀では、故人宅で葬儀を行い、その後車で棺を火葬場や墓地へ運びます。その際、日本のような霊柩車とは異なり、普通の車両で棺を運びます。この時、葬儀に参列した参列者は各々バイクやトラックの荷台に乗ったりして火葬場や墓地へ棺とともに向かいます。故人宅が大通りなど街の中心にあると駐車場などはなく路上駐車をするため、渋滞になったりします。
棺を運ぶ車(日本の霊柩車と異なり、一般の車両です)
棺を運ぶ車両とともに参列者はバイクやトラックでやってきます
ミャンマーでは火葬が一般的
ミャンマーでは一般的には火葬がよく行われているそうです。ミャンマー人から聞いたところ、事務所の所在するピー郡には火葬場は1か所のみだそうで、火葬する場合にはピーの人々は以下の火葬場に行きます。
ピー郡に唯一ある火葬場です
話を聞くと、火葬場の使用料は無料だそうで、寄付によって成り立っているとのことでした。貧しい人々でも使えるようにとのことで、ミャンマー人の寄付文化を改めて実感できます。私が棺の到着を待つ間、別の一団がやってきて、火葬を行っていました。通常日本であれば、火葬を行っている間、別室などで終わるのを待ちますが、ミャンマーの場合、棺が火葬炉の中におさめられた瞬間にほとんどの参列者が帰り始めていました。帰るのがすごく早いと思いましたが、ミャンマーの火葬場には待合室などはないため、普通と言えば普通なのかなと思いました。
参列者の多くは、火葬炉に棺が納められると終わるのを待たずにすぐに帰宅します
土葬も行われている
また、ピーでは土葬も行われているとのことでした。実際、私が参列したお葬式の故人も土葬を行っていました。火葬にするか土葬にするかは、仏教徒のミャンマー人の場合宗教上の問題ではなく好みの問題だそうで、お墓に棺をそのまま入れる形になります。
参列者の様子
棺をお墓に入れた後、タイルなどを張り付けたりしてお墓をきれいにします。興味深いのは、亡くなった方の顔写真が貼ってあるお墓があるということです。当日参列した墓地にあるお墓全てに顔写真が貼ってあるわけではなかったですが、貼ってあるお墓も多くありました。
他宗教にも配慮された墓地作りがなされている
よくミャンマーは、ロヒンギャに代表されるようにイスラム教に不寛容なイメージが一般的にはあると思いますが、ピーではそういったことはありません。当日お邪魔した火葬場や墓地の近くには、中国式であったり、イスラム教、キリスト教のための墓地もあり、仏教徒以外の他宗教への葬儀の配慮もしていました。
中国式の墓地の入口
イスラム教の墓地の入口の前にはなぜかミャンマーの僧侶が右側にいますが、仏教徒の他宗教への寛容さを物語っていると思います。聞くところによると、10年ほど前までは、それぞれの宗教ごとに別々の場所に墓地があったようですが、10年ほど前(イスラム式の墓地の入口の看板に2013年にできたため、2013年頃だと思われる)に政府の方針で、一か所に一元化されたようです。
最後に
ミャンマー国内でも、地域によって葬儀の仕方は異なりますが、今回はピーの葬送などの習慣について紹介させて頂きました。亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。また、写真使用等許可していただいたご遺族の方には感謝申し上げます。同じ日本もミャンマーも仏教国ですが、似ているようで異なる習慣・文化が多くあります。記事を通じてミャンマーについて、より興味を持っていただければと思います。
ミャンマー事務所インターン 倉持和希