ミャンマー国境のコミュニティリソースセンターが完成間近
こんにちは、事業サポート課の黒田です。
今まさに、ミャンマー・カレン州で進められている「ミャンマーカレン州南東部におけるコミュニティリソースセンターを通じた復興・再定住支援事業」をご紹介します。先週末までカレン州に出張していたので、現地で撮った写真も交えながらご紹介しますね。
コミュニティリソースセンター(CRC)の建設状況
シャンティが帰還民の支援事業を行っているレイケイコー村とゾーズィーミャイン村は、帰還民の受け入れに積極的ですが、新たに移住する国内避難民や帰還民がホストコミュニティとともに活動するための場がありません。また、言語や文化継承の課題も抱えています。そこでシャンティは、2つ村で、全ての住民が日常的に集える場所としてコミュニティリソースセンター(CRC)の建設を支援しています。
2019年6月に建設を開始してから約4カ月が経過し、現在、完成間近といったところです。大雨で道の状況が悪化し、建設資材が届かないといったトラブルもありましたが、なんとか完成間近までこぎつけました。
9月末から10月初めにかけて完成予定で、後述の図書やパソコンなどの配架が始まります。主に1年目は建設を行い、1年目の後半から2年目にかけて内外で各種支援サービスを行う予定です。
【ゾーズィーミャイン村】建設開始当初のCRCの様子(2019年6月撮影)
【ゾーズィーミャイン村】完成間近のCRCの様子(2019年9月撮影)
施設に配架する図書の準備
CRCが完成したら、図書やパソコンの配架が始まります。タイ側にあるミャンマー(ビルマ)難民支援事業事務所(BRC事務所)でタイ語の絵本を購入し、カレン語やビルマ語の翻訳シールを貼り付けています。ミャンマー側のミャンマー国境支援事業事務所(MBP事務所)も近々ヤンゴンに絵本を買い付けに行く予定です。CRCの開所以降も毎月新しいタイトルを追加で配架する予定です。もちろんCRCには絵本以外にも大人向けの書籍なども配架します。CRCがホストコミュニティ、帰還民、民族、年齢を問わず幅広い世代が集まれる場となるよう環境整備に努めていきます。
【BRC事務所】タイで購入した絵本を運び込む様子
タイ語の絵本にビルマ語とカレン語の翻訳シールを貼りつけている様子
CRC委員会の設置とマネジメントトレーニング
CRCの建設だけでなく、2つの村でCRC委員会とともに活動を行っています。CRC委員会は村の住人で構成される各村10名ほどの組織で、MBP事務所のエンジニアと共にCRCの建設をチェックしたり、CRCの完成後は主体となって設備の運営にあたる重要な役割を持っています。CRC運営の中心的な役割を果たすCRC委員会ですが、施設の運営や管理方法に関する知識はありませんでした。
そこでシャンティは、CRC委員会がCRCや供与した設備備品を有効に活用し続けられるよう各種トレーニングを企画、実施しています。
2019年8月に行われたCRCの運営管理に関するトレーニングの様子をご報告いたします。2つの村が合同で2日間トレーニングを行い、CRCはどういった施設なのか、適切に運用し続けるためにどのようなルールを設ける必要があるのかなど、基本的なころ確認しました。また、トレーニング実施前後で理解度を比較するためのテストを行いました。参加者の9割がトレーニング実施後にCRCに関する理解度が深められていることを確認できました。
レイケイコー村、ゾーズィーミャイン村合同で行ったマネジメントトレーニングの様子
マネジメントトレーニング参加者の集合写真
2019年10月中にはすべての施設が完成予定です。完成後は開所式やサービス研修も予定しています。
今後ともよろしくお願いいたします。
※本事業は、日本財団とのパートナーシップ協定に基づき、外務省より資金援助を受け実施しています。