【ネパール】標高2000メートルの竣工式―コミュニティ図書館・リソースセンター
みなさま、こんにちは。ネパール事務所の萩原です。
ネパールの「図書館の日」にあたる8月31日、ネパール東部コシ州のチャター・ジョーパティ自治体にて、コミュニティ図書館・リソースセンターの竣工式を開催しました。竣工式は、日本大使館、自治体関係者、コミュニティの皆様の参加のもと、盛大に行われました。
日本大使館の田村賢周次席(写真左)には、「この図書館・リソースセンターが地域の発展につながること、また日本とネパールの人々のよりよい友好関係につながることを願っております」とのメッセージをいただきました。この様子はThe Himalayan Timesなど、現地の新聞やTVニュースでも広く取り上げられました。
チャター・ジョーパティ自治体は、標高2000メートルを超える山岳地域に位置し、ライ民族、リンブー民族、グルン民族、シェルパ民族などの少数民族からヒンドゥー系の人々まで、多様な民族が混住しています。竣工式でも様々な民族舞踊を披露していただきました。
ライ民族の伝統舞踊
シェルパ民族の伝統舞踊
今回竣工した図書館・リソースセンターは、2023年に開始した「コミュニティに根差した職業・技術スキル開発事業」で建設した1館目のセンターです。図書室や児童室のほか、IT室や女性室、ユース室、研修室、会議室などを備えています。図書館の機能に加え、識字などの基礎スキル研修やライフスキル研修、職業・技術スキル研修(IT、起業スキル、農業他)を切れ目なく提供し、地域の教育・文化・交流・スキル開発の拠点となる場を作ることを目指しています。
図書室で読書を楽しむ利用者の若者。
児童室の様子。絵本の他、パズルやゲームも備えています。研修を受ける女性にとっても、子どもたちを連れてきやすい環境です。女性室には授乳スペースもあります。
大盛況のIT室。ITスキル研修の受講を希望する若者が殺到しており、今は朝6時(!)からIT研修を実施しています。ネパールの若者の早起きと意欲に脱帽です。
本事業はもともと、「図書館に来て、他の女性たちと励まし合うことができた。起業スキル研修に参加し、他の女性とビジネスを立ち上げることができた」「ライフスキル研修を通じて将来の目標を設定できた。他の地域の若者のためにもこうした機会を広げてほしい」など、先行事業の図書館・リソースセンターの利用者の声がきっかけで生まれました。
竣工式以降、研修プログラムの実施をさらに本格化していくことになります。また、来年はさらに2館の竣工式を実施する予定です。すべての人が集い、学び、未来を切り開いていけるコミュニティ図書館・リソースセンターをつくっていけるよう、パートナー団体のREAD Nepalや自治体・コミュニティの皆さまと引き続き協力して事業を進めていきたいと思います。
本事業は「日本NGO連携無償資金協力事業」として、日本の皆様のご支援により実施しています。
ネパール事務所 萩原
ネパール事務所職員一同