【ネパール地震】地域の人たちに支えられて
ナマステ!(ネパールの言葉で「こんにちは」)
緊急救援室の木村です。本日もネパールから活動の様子をお届けします。
昨日で地震発生から3ヶ月が経過しました。シャンティ以外にもユニセフや他の日本のNGOも含め、たくさんの団体が学校の仮教室の建設支援を行っています。先日、支援者の会合があり、今後の復興に向けた取組のなかで大切な視点は何か、課題は何かといったことを話し合う機会がありました。その中の1つのポイントとして出ていたのが、「地域の人たちの主体性」をどう引き出していくか、ということでした。
【写真】現地協働団体であるNSETスタッフ(左2名)との話し合い
私たちが村に対して、学校を立て直すためのお金や資材を提供することは難しいことではありません。村の人たちにも感謝されます。でも、それだけでは、今後も村の人たちがその校舎を「自分たちがきちんと管理していかなければならない、自分たちの学校」という意識をもつことが難しい場合もあります。私たちがネパールを去った後も、村の大人たちが、子どもたちの成長を見守り、学習できる適切な環境を維持するためには、私たちの活動に村の人たちにも参加してもらうことが欠かせません。
【写真】村の人たちに学校の状況を尋ねるNSETスタッフ(左から2番目)
「仮教室の建設」というと建設会社やエンジニアなど専門家がやる仕事、というイメージがあるかもしれません。確かに建設の知識や技術が必要なところも多いですが、それ以外にも、建設前にがれきを片付けたり、土地をならしたり、竹などの地域の資材を調達したり等、特別な技術がなくても仮教室の建設に村の人たちが関わることは可能です。
例えば、屋根材として使用するアルミ板を切ったり、
竹をつかった枠組みをつくるために、針金をつかって竹と竹をきっちり結わえたり、
仕切りに使用する竹で編んだシートを柱にうちつけたりなど。
これら作業をしている人たちはみなさん、村の人たちです。既に子どもが学校を卒業した年代のお父さん方もいらっしゃいますが、みなさん、地域の子どもたちのために、と労働力を提供してくれています。
また、学校運営に欠かせない存在として、「学校運営委員会」があります。村の人たちからの選挙によって選ばれた地域の人たちが、先生とともに学校の計画や運営などに関わっています。仮教室の建設にあたっては、委員会メンバーの協力もとても重要です。写真のチャクラバハールさん(63歳)は、ヌワコット郡にあるラムチャンドラ小中学校の学校運営委員会の委員長を9年ほど勤めています。リタイアする前は、ソーシャルワーカーとして地域の保健に携わっていたそうです。学校は残念ながら地震で崩壊。仮教室でまた子どもたちが安心して学べるように、毎日、建設の様子を見に来て、校舎の状況をすみずみまで熱心にチェックされています。
そして、学校の主役は何と言っても子どもたち。8月中旬までは学校がお休みのため(例年、この時期は田植え休暇のような夏休みがあります)、子どもたちは田んぼや家のお手伝いをしたり、遊んだりして毎日を過ごしています。ガネッシュマビ小中学校に通うクリティカさん(写真:9歳)もこの日はお友達と遊んでいた様子。将来の夢はお医者さんになることで、算数を頑張って勉強しています。この日は先生とも会い、学校の再開を楽しみにしていました。
このようにいろんな人に支えながら、まだまだ仮教室の建設は続きます。
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現地の状況に鑑み、中長期的な支援が必要とされることが予想されます。
みなさまからの温かいご支援を宜しくお願い致します。
※なお、仮設教室建設・トイレ建設の事業の一部はジャパン・プラットフォーム(JPF)からの助成金を受けて実施しています。