ネパールからお礼&防災研修
ナマステ!
ネパールの子どもたちのために教室を作るReadyfor の取り組みが、みなさまのご協力のおかげで目標の80%を超えることができました。
ネパールの子どもの命を守る、防災対策を備えた小学校を造りたい – クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー)
ありがとうございます!
あともう少しですので、みなさまもう少しだけ、ご協力の程どうぞよろしくお願い申し上げます!
さて、今回はネパール事務所で行った職員向け防災研修の様子を紹介します。
職員のなかには防災関連の事業を行ったことのある職員もいますが、実際にどうやって備えたらいいのかというのは、みな不安に思っていたようで、内部から強い要望がありました。また、事業を行う人には、学校にちゃんと説明するにはどうしたらよいのかということを明確にすることができるようになることを目指しました。今回は震災直後からお世話になっていた、外部から専門の講師を招きました。
まずはみんなの震災体験を聞いていきます。
震災の時は土曜日でしたので、週休一日のネパールではみんなそれぞれお休みをとっていたようです。
外で体験した人、家の中で体験した人、震災時の様々な様子が共有されました。
中には1カ月もの間外で生活を強いられた職員のいました。
私は2回目の地震を教育庁で体験しました(詳しくはリンクから)。
長くは続かない、 大丈夫だから落ち着こう ネパールの子どもの命を守る、防災対策を備えた小学校を造りたい – クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー)
建物に信頼ができないというのは、とても大きな不安要素だと思うようになりました。
次に地震のメカニズムの正しい理解です。
日本ではおなじみのマントルやプレートテクトニクスとかですね。しかし、ネパールでは違ったように地震の経験を理解されていました。
世界はカメとゾウの上に成り立っているのだから、ゾウが少し動いたからに違いないだとか、
ちょっと牛が背中を動かしただけだとか
私が最も多く聞いたのは、最近のカトマンズの環境汚染や犯罪の増加、少し前の内戦に対して、破壊神であるシバが怒ったに違いない、というものです。
また、ネパールでは占星術を信じている方が多くおりますので、星の位置が悪かった、移動していたに違いないという意見も多く聞きました。重要なのは、本人が本当にそう思ったということなので、それを受け止めながら、仕組みを説明し、備えが必要だということを理解してもらうということです。
ちなみに、以下の写真は活断層を表した地図ですが、日本はもちろん、ネパールも地震のリスクが非常に高いことが分かります。
(引用元:気象庁)
そして今回紹介してもらったのがこちら、ネパールで地震が起きていることを表した図です。
これにはみな衝撃を受けて、備えが必要だということを口々に話していました。
防災はの備えは身の回りからということで、どうやら専門家の方は事前に事務所の防災状況を見ていたようです。
SVAネパール事務所は昨年にできたまだまだ新しい事務所なので、十分な設備が整っていません。
例えばこちら
私の座っている席の後ろには大きなホワイトボードがあります。
釘で止められた簡素なものだったので、地震が起きたときには私が怪我をしかねないです。
このような場合は、フックのついた釘で止めることが重要だということです(反省)。
この時、総務の職員が一生懸命メモを取っていたのが印象的でした。
そして備えです。
防災は、リスクの把握から始まります。
そして、建物ごとによってそのリスクの比重というのは変わってきます。
写真は、建物の中で比較的リスクが高い場所と、比較的リスクの低い場所を色分けしています。
このリスクを考えてから、どこから逃げるのが良いのか、廊下にものを置かない等を考えていくわけです。
基本的に防災への備えは、建物ごとにリスクを把握して、対応計画を考えなくてはいけないということが強調されていました。
つまり、今回建設した学校ごとに、防災の備えを建物でも、先生や子どもでもしていくということが大切ということです。
以上を踏まえて学校です。
ネパールの学校の多くはこのような椅子と机が一体化した、ベンチ型の家具で勉強しているのが一般的です。
しかしこの家具の構造では、迅速に避難することができません。
家具の改善も教育支援だけでなく防災の観点からも重要だということが分かります。
また、避難の際には、どのルートを使って、誰が先に出て、どこで集まるのかというのも重要です。
日本ではおなじみの整列点呼ですが、それをいかに迅速に行えるかということも密接に関係しているのですね。
最後に、グループに分かれて学校防災計画の立案を検討しました。
みんな学んだことを基本にして避難経路、応急処置をどこでやるか、家族との連絡はどうするかなど活発な提案がされました。振り返りの中では、やはり子どもがパニックの中誘導するのは難しいのではないか、先生たちがしっかり対応するにはどういうことが必要なのか等、新たに見えてきた課題を共有することができました。特にショックを受けてる子どもに対応するというのは、難しくも非常に重要なことです。
シャンティが35年間子どもたちと接してきた学びから、防災に役立てていけるのではないかと思いました。
これからのネパール事務所に乞うご期待です!
事業サポート課
竹内