2019.11.25
海外での活動

事業3年目のプロジェクト諮問委員会を開きました

ネパール
活動風景

プロジェクト諮問委員会の様子

ナマステ。ネパール事務所長の三宅隆史です。ネパールで活動する外国のNGOは、最低年に1回、中央政府の関係省庁を招いてプロジェクト諮問委員会を開くことが義務とされています。

現行事業の3年目の会合を開きました。会合はNGOの監督省庁である社会福祉協議会(SWC)の会議室で行われ、SWCの事務局長が議長を務めます。参加者は首相府、財務省、復興庁、教育省、女性子ども高齢者省、外務省、内務省、労働省、計画庁の事務次官や事務次官補です。

まず、所長の私がスライドを基に、事業の進捗・成果・課題と予算の執行状況について発表します。委員は各省庁のハイレベル職員なので緊張します。その後、各委員が質問し、コメントや助言を与えます。1回目はシャンティという団体自体が知られていないので、多少辛辣な質問も出ましたが、今回は3回目なので、本事業を覚えている委員もおり、校舎建設や防災紙芝居に対する謝辞をいただきました。教育省の委員からは、昨年教育省が発表した「学校の安全ミニマムパッケージ」を参考にして、災害時だけでなく、日常時においても児童の安全確保に努めてほしいとの助言がありました。

プロジェクト諮問委員会は中央政府レベルだけでなく、郡レベルでも実施することとされてきましたが、2017年に始まった地方分権化に伴い、現在は郡レベルの会合の代わりに、自治体レベルで開くことが奨励されています。シャンティの場合、校舎建設についての調整会合を村長および村役場職員と開いています。

プロジェクト諮問委員会の会合の議事録はNGO職員のビザの延長申請の際必要とされています。NGOのアカウンタビリティーと事業の質を保障するために必要な措置ではありますが、この他にもSWCによる事業の中間評価と終了時評価が行われその費用をNGOが負担しならないこと、年間事業予算が20万ドル以上でなければならないこと、駐在する外国人職員の人数制限があること(当会の場合1名のみ)等の制約が大きいことから、ネパールで支援活動を行っている日本のNGOは67団体あるのですが、事務所を設置し、日本人職員が駐在するやり方で事業運営を行っているNGOは減少傾向にあり、シャンティを含む11団体しかありません。