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2024.06.25
プレスリリース

教育協力NGOネットワーク(JNNE)から SDG4(教育目標)の日本の達成度についてコメントを発表

プレスリリース
メッセージ

日本のSDG4(教育目標)は「達成済み」から「課題を残す」に評価低下

公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(所在地 東京都新宿区/会長 若林恭英/以下シャンティ)が加盟する教育協力NGOネットワーク(JNNE)から2024年6月20日、SDG4の日本の達成度についてコメントを発表しました。

今回のコメントは、国連持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)が6月17日に刊行した、各国のSDGs達成度を発表する『持続可能な開発報告書2024(Sustainable Development Report 2023)』を受けたものです。

SDG4(質の高い教育)の日本の達成度についてのコメント(教育協力NGOネットワーク 代表 森透)

持続可能な開発ソリューション・ネットワークが6月17日に各国のSDGsの達成度を発表しました。SDG4(教育目標)を日本はこれまで「達成済み」とされてきましたが、日本の数学の授業で日常生活に絡めた指導を受ける頻度が他国に比べて少ないという国際学習到達度調査(PISA)の結果が響き、「課題を残す」に評価が下がりました。
PISAの結果だけでなく、日本の教育は「誰一人取り残さない」というSDGsの理念に照らして、3つの大きな「課題」があります。
第一の課題は学校教育の「質」です。小・中学校の不登校児童生徒数は約29万9千件(過去最多)、いじめの認知件数は約68万2千件(過去最多)。加えて、小・中・高等学校から報告のあった自殺した児童生徒数は411人、小・中・高等学校における暴力行為の発生件数は約9万5千件(過去最多)です(文部科学省)。そもそも不登校の15歳の生徒はPISAの試験を受けていません。SDG4のターゲット1である「質の高い初等教育及び中等教育の修了」を達成するための努力が求められています。
第二に、外国籍の子どもの教育は深刻です。「外国籍の子の保護者に対する就学義務はない」(文部科学省)ことから、24%にあたる421の自治体は、就学年齢になった外国籍の子どもの世帯に就学案内を送付していません。この結果、外国籍の子どもの8.4%が小中学校の不就学状態にあります。高校についても一般の進学率が99%であるのに対して、外国籍の生徒の高校進学率は60%台と推計されています(日本学術会議 2020年)。日本語や進路の指導、保護者への配慮などは教育現場の努力に頼っています。これらはSDG4のターゲット5である「教育格差の解消」について深刻な課題があることを示しています。
第三に、成人の非識字の問題があります。2022年の国勢調査は90万人が義務教育を未修了であることが明らかにしました。貧困や差別のために義務教育を修了できなかったこれらの人びとや不登校などの理由から小中学校を「形式卒業」した人びと、外国籍の方々のための「夜間中学」を、「教育確保基本法」に基づき、文部科学省は67ある都道府県・指定都市に少なくとも1校を設置するとしています。しかし現状では、31都道府県・指定都市の53校にとどまっています。SDG4のターゲット6である「若者および成人の識字」の達成も大きな課題です。

※上記コメントについてのお問い合わせは、教育協力NGOネットワーク事務局(JNNE)までお願いします。
お問い合わせはこちらから

■教育協力NGOネットワーク(JNNE)について
ウェブサイトはこちらから

■『持続可能な開発報告書2024(Sustainable Development Report 2023)』について
原文はこちらから

<シャンティ国際ボランティア会について>
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会は、1981年に設立された、アジアで子どもたちへの教育文化支援や緊急人道支援を行うNGOです。子どもたちがどのような環境下でも学ぶことができるよう、シャンティは教育の機会を届けています。

設立 : 1981年12月10日
会長 : 若林 恭英
所在地:〒160-0015 東京都新宿区大京町31 慈母会館2・3階
事業内容 :教育文化支援事業、緊急人道支援事業
公式ウェブサイトURL : https://sva.or.jp/

■プレスリリースの原文■
【PRESS】SDG4の日本の達成度についてコメントを発表