自分たちはどう関わるべきなのか、9.11に毎年問い直す|支援開始から23年目のアフガニスタンの現状に寄せて
2001年9月11日に発生した米国での同時多発テロ事件を受けて、10月7日に米軍がアフガニスタンに空爆を開始した日から、20年以上が経過しました。
昨年、ある大学でアフガニスタンのことをお話しする機会がありましたが、世界を震撼させたこの出来事を知らない学生が多く、徐々に忘れられつつあることを実感しました。
むしろ、2021年8月のタリバンによるカブール陥落、タリバン暫定政権の樹立の方が皆さんの記憶に新しいと思います。
シャンティは2001年の米軍によるアフガニスタン侵攻を契機に、アフガニスタンでの支援活動を開始しました。
なぜアフガニスタンが空爆されなければならなかったのか、なぜこの国の多くの人たちが今も明日食べるものもない状態に直面しているのか、
私たちを含む国際社会がアフガニスタンにどう関わってきたのか、関わるべきなのかを、人々の記憶が薄まる中でも毎年問い直していきたいと思っています。
そして、2021年8月からすでに3年が経過し、アフガニスタンでは女性を中心とした人権侵害が懸念されています。
国際社会との断絶が続き、人道支援も先細りの中、私たちは、アフガニスタンの人々と粘り強く対話を重ね、アフガニスタンの人々の望む国の復興を、これから長い時間をかけて再びアフガニスタンの人たちが考えていくことを引き続き支援していきたいと考えています。
(写真:図書館に通う子どもたち、撮影:川畑嘉文)
次の世代を担う子どもたちに考える力を育み、多様な価値観の中でも共生していく道筋を共に見出していく。そのための対話をあきらめることのなく、つながり続けたいと思っています。
アフガニスタンの人たちは、人と人のつながりを大事にします。そういったつながりを絶やさぬよう努力し、さらにはより深めていくことこそが、今の私たちの使命です。
シャンティは活動を通して、引き続きアフガニスタンの人たちに寄り添っていきます。
動画:「アフガニスタン・子ども図書館の一日」をご覧ください
(写真:2005年子ども図書館にて)
事務局長 兼 アフガニスタン事務所 所長
山本英里